連語

連語（Collocation）とは

連語とは、複数の単語が結びつき、まとまった意味や機能を果たす言語表現のことです。一般的には、単語と同様に扱われることが多いですが、言語学ではいくつかの異なる意味で用いられる用語です。

広義の連語と狭義の連語

広い意味では、慣用句も連語に含まれることがあります。しかし、通常は、文脈に左右されず一定の意味を持つ一連の語を「慣用句」と呼び、それ以外の文法的機能を示すものを「連語」と区別します。例えば、日本語では「〜てはならない」「〜なければならない」などが連語の例として挙げられます。

連語の例

以下に、日本語と英語における連語の例をいくつか示します。

日本語の連語

〜てはならない
〜なければならない
ことができる
かもしれない
〜に違いない
〜によって
〜における
〜のために

英語の連語

be going to（近接未来）
out of（〜から外へ）
not…any longer（もう…ない）
for the sake of（〜のために）

これらの例は、単語が組み合わさることで、より複雑な意味や文法的な機能を表すことを示しています。

コーパス言語学における連語

コーパス言語学では、統計的な手法を用いて、ある単語と共起する頻度が高い語の組み合わせを「連語」と捉えます。この意味での「連語」は、広義の連語や慣用句を含む場合もありますが、基本的には別の概念です。

コーパス言語学における連語は、実際の言語使用データに基づいており、単語間の関係性をより客観的に捉えることができます。これにより、単語の組み合わせのパターンや、特定の文脈での使われ方などを分析することが可能になります。

ソビエト・ロシア言語学における連語

ソビエト・ロシア言語学では、「словосочетание（語結合）」という用語が用いられ、その訳語として「連語」が使われることがあります。この場合の「連語」は、単語の組み合わせが特定の文法的な関係性を持つことを指し、他の言語学的な文脈での連語とは異なる意味合いを持ちます。

参考資料

『日本語文法・連語論（資料編）』（言語学研究会編、鈴木重幸、鈴木康之責任編集、1983年,ISBN 978-4-8384-0106-2）
上記(3)の意味での「連語」における主要な研究文献です。

関連用語

複合語
慣用句
コーパス言語学
語結合


連語は、言語を理解する上で非常に重要な概念です。連語を学ぶことで、より自然で流暢な言語表現を身につけることができます。また、言語学的な観点からも、連語は単語間の関係性を理解するための重要な手がかりとなります。

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