連邦住宅抵当公庫

連邦住宅抵当公庫（ファニーメイ）について

連邦住宅抵当公庫（Federal National Mortgage Association, FNMA）は、ファニーメイ（Fannie Mae）の通称で知られるアメリカの金融機関です。1938年に、アメリカ国内の住宅供給の安定化を目的とした政府援助法人（GSE）として設立されました。

設立の背景と目的

設立の背景には、大恐慌後の経済対策があります。当時の銀行は、バランスシート上に多くの不動産貸付債権を抱えており、それが融資を滞らせる要因となっていました。そこで、ファニーメイは銀行からこれらの債権を買い取ることで、不動産融資を促進し、国民のマイホーム保有を後押ししました。

民営化と業務拡大

当初は政府系金融機関でしたが、1968年に民営化され、ニューヨーク市場に上場しました。1977年には、民主党のジミー・カーター政権と議会が「地域再投資法」を成立させ、低所得者層の住宅保有を促進するため、ファニーメイの業務拡大を支援しました。

主要業務

ファニーメイの主要な業務は、民間金融機関に対する住宅ローン債権の保証業務です。この保証により、金融機関は安心して住宅ローンを提供でき、住宅市場の活性化に貢献しました。サブプライムローン問題が顕在化するまでは、ファニーメイが発行する証券は政府機関債とみなされ、米国債に次ぐ高い信用力を誇っていました。

不正会計問題と経営危機

しかし、2006年には、1998年から2004年にかけてデリバティブ評価額の不正操作（約60億ドルの利益水増し）が発覚し、旧経営陣が不当に高額な賞与を得ていたとして提訴されました。さらに、2007年にはサブプライムローン問題が深刻化し、約21億ドルの損失を計上しました。これにより、ファニーメイの経営は著しく悪化し、2008年9月には米政府の管理下に入り、普通株と優先株の配当が停止されました。2010年7月16日には、ニューヨーク証券取引所の上場を廃止しています。

現在の状況

現在は、米国政府の管理下で経営再建が進められています。

関連項目

政府援助法人
連邦住宅金融抵当公庫（フレディマック）：ファニーメイと競合関係にある政府援助法人。
* 連邦政府抵当金庫（ジニーメイ）：政府金融機関であり、ファニーメイとは異なる役割を担っています。

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