連邦政府ランジュバン棟 (カナダ)

ランジュバン棟について

ランジュバン棟（れんぽうせいふランジュバンとう）は、カナダのオタワにある重要な庁舎で、パーラメント・ヒルに隣接しています。この建物はカナダ首相府と枢密院事務局の勤務施設として機能しており、実質的にカナダ政府の権力の中心を担っています。そのため、「ランジュバン棟」という名称はしばしば首相府を指す用語としても使用されています。さらに、この建物はカナダ国定史跡に指定されています。

歴史的背景と建設

ランジュバン棟の建設は1884年に始まり、1889年に完工しました。これは、パーラメント・ヒルの敷地の外で初めて建設された連邦政府の庁舎です。この建物の外壁は、ニューブランズウィック州の採石場から採取された砂岩で構成されており、独特の風味を持っています。また、ランジュバン棟はオタワのウェリントン通りに面しており、近隣には戦没者記念碑やシャトー・ローリエ、政府会議センター、リドー運河、国立芸術センターなど、多くの重要な建物や施設があります。

元々は「南西官庁ビル」として呼ばれていましたが、ジョン・A・マクドナルド政権下で公共事業相を務めたエクター=ルイ・ランジュバン卿にちなんで命名されました。その名は歴史を反映し、カナダの政治的背景を象徴しています。

建築様式

ランジュバン棟は、オタワにおいて特に目を引く建築物のひとつです。これは、他の政府庁舎が一般的にゴシック・リバイバル様式で建てられる中、ランジュバン棟は第二帝政様式という独自のデザインを採用しているためです。設計を手掛けたのは、自治領カナダ首席建築家のトマス・ヒューラーで、彼の手によるこの建物は、その美しさと機能性の両方から高く評価されています。

2000年には、カナダ王立建築家協会によって過去千年の間に建てられたカナダのトップ500建築物の1つに選ばれ、その歴史的価値と美しさが認められました。

現在の利用状況

現在、ランジュバン棟には枢密院事務局の高官たちのオフィスが存在していますが、主に首相府がこの建物を利用しており、枢密院事務局の利用は制限されています。このような背景から、ランジュバン棟はカナダにおける政治的活動の中心として、重要な役割を果たし続けています。

このように、ランジュバン棟はその歴史、建築的独自性、そして現代における重要性によって、カナダの政府機関の象徴的な建物としての地位を確立しています。

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