連邦議会下院 (ブラジル)

ブラジル連邦議会下院：国民を代表する立法機関

ブラジル連邦議会下院（ポルトガル語: Câmara dos Deputados）は、ブラジル連邦共和国の立法府である国民会議の下院に位置づけられます。直訳すると「代議院」となり、国民の代表機関としての役割を担っています。

概要

議員任期: 4年
定数: 513議席
選出方法: 比例代表制
現在の議長: アルトゥール・リラ議員（アラゴアス州選出、進歩党、2021年2月1日選出）

歴史

ブラジル連邦議会は、1824年に制定されたブラジル帝国憲法に基づき、1826年5月6日に初めて開会しました。下院の予備会議は、議事日程や委員の選出を討議するため、同年4月29日に開始されています。以降、帝国総会や共和国国民会議など、1824年憲法制定以降に招集された二院制議会は全て、第1議会からの通算として数えられています。

帝国時代

帝国時代、国民会議は総会と名付けられ、連邦議会下院と上院で構成されていました。下院議員は4年ごとに選出され、上院議員は終身制であり、上院は常設機関でした。

共和国時代

ブラジルが共和国となり連邦国家となってからも、二院制は維持され、議会は国民会議と改称されました。両院議員の任期は固定され、任期満了前に解散されることはありませんでした。1988年に採択された現行憲法では、上院議員の任期は8年、下院議員の任期は4年と定められています。

議席配分

各州および連邦直轄区の選出議員数は、人口規模に比例しますが、最低8人、最高70人という制限があります。人口が少ない州は8人、人口が多い州は70人を選出するため、完全な人口比例とはなっていません。

選挙

下院議員の選挙は4年ごとに行われ、全議席が改選されます。

各議会の変遷

ブラジル帝国

第1議会（1826年–1829年）
第2議会（1830年–1833年）
第3議会（1834年–1837年）
...（省略）...
第20議会（1886年–1889年）：1889年11月15日のクーデターで解散
第21議会：選挙は実施されたものの、共和国宣言により開会されず

旧共和国

第21議会（1890年–1891年）：憲法制定議会の役割
第22議会（1891年–1893年）
第23議会（1894年–1896年）
...（省略）...
第35議会（1930年）：1930年の革命後に解散

バルガス時代

第36議会（1933年–1935年）：憲法制定議会の役割
第37議会（1935年–1937年）：エスタド・ノボのクーデターにより解散

1946年共和国

第38議会（1946年–1950年）：全国憲法制定会議の役割
第39議会（1951年–1954年）
...（省略）...
第42議会（1963年–1967年）：1964年の軍事クーデター後、新憲法起草を委任されたが、脅迫下での採決

軍事政権下

第43議会（1967年–1970年）
第44議会（1971年–1975年）
...（省略）...
第47議会（1983年–1987年）：民主化移行期、最後の軍政大統領から民政へ移行

文民政権復帰後（新共和国）

第48議会（1987年–1991年）：全国憲法制定議会の役割
第49議会（1991年–1995年）
...（省略）...
第57議会（2023年-）

各州の議席数

各州の議席数は、ブラジル地理統計研究所（IBGE）が10年ごとに行う国勢調査の結果に基づいて決定されます。ただし、最低8議席、最高70議席という制限があります。これにより、議員1人当たりの人口に格差が生じており、一票の価値に違いが生じるという問題があります。

会派

下院には、政権与党院内総務、多数党院内総務、野党院内総務、少数党院内総務が置かれています。それぞれの役割は以下の通りです。

政権与党院内総務: 内閣を代表して発言
多数党院内総務: 内閣を支持
野党院内総務: 野党の最大政党から選出
少数党院内総務: 内閣と対決

組織

役員

議長: アルトゥール・リラ（進歩党、アラゴアス州選出）
第一副議長: マルコス・ペレイラ（共和党、サンパウロ州選出）
第二副議長: ソステネス・カバルカンテ（自由党、リオデジャネイロ州選出）
...（以下、省略）...

常任委員会

各委員会の委員長職は、政党間の合意によって割り振られます。最大会派の労働者党（PT）とブラジル民主運動党（MDB）が、それぞれ複数の委員長職を獲得しています。

関連項目

第54期ブラジル下院
第53期ブラジル下院
ブラジル連邦議会下院議長の一覧
国民会議 (ブラジル)
連邦議会上院 (ブラジル)
* ブラジルの連邦機関一覧

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