進学課程 (医歯学部)

医学部及び歯学部進学過程の概要

医学部進学課程及び歯学部進学課程は、戦後に施行された学制改革の一環として導入された重要な教育制度です。これらの進学課程は、医療分野における専門教育を提供するための基盤として機能し、最初の2年間の一般教育と続く4年間の専門課程を合わせた6年制の学士課程を構成しています。1955年からこのシステムが適用され、同時に「プレメディカル」コースとも呼ばれていますが、1991年には大学の設置基準が変更され、進学課程は次第に廃止されることになりました。

進学過程の背景

進学課程の設立には、戦後の医学教育及び歯学教育を大学教育に集約しようとする政策が影響しています。連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）の指導の下、旧制医学専門学校及び旧制歯科医学専門学校が新しい大学制度に移行するとともに、旧制大学へと昇格していきました。この過程で、1946年から1948年にかけて大学予科が設置され、1949年から学制改革後の新制大学がスタートしました。

特に医学部と歯学部については、入学資格が一般教育を経た大学２年修了者から新制高等学校卒業生に拡大され、1951年から専門課程の入学試験が始まりました。この転換点において、進学課程は医学部及び歯学部における教育の流れを大きく変える要素となりました。

学制改革と進学課程の重要性

進学課程の設置により、入学者選抜が新制高校卒業生に対して行われるようになり、学生の専門性を高める環境が整えられました。1954年3月に学校教育法が改正され、進学課程の存在が法的に確立されました。これに伴い、多くの大学において1955年4月から進学課程が設置され、「理学部乙」などの名称で呼ばれるコースも創設されました。

進学制度の変遷と従来のシステムへの影響

医学部及び歯学部における入学試験は、他の学部と同様の基準で行われるようになり、同一大学内での選抜制度が整備されました。しかし、この過程では学部・学科内の競争が激化し、浪人の増加など問題も発生しました。また、公私立の医科大学では、新構想大学の筑波大学など、6年一貫教育を導入する動きも見られました。

1991年の学校教育法の見直しにより、医学部及び歯学部の入学資格が高校卒業者に変更され、進学課程は医歯学教育に統合されるなど、教育制度の改革が進みました。近年では、医療系の専門教育に対する評価が高まる一方、医師の人間性教育の重要性も再認識されています。

おわりに

進学課程は、医師や歯科医師の養成において重要な役割を果たしました。この制度は教育システムの中で変遷を遂げつつも、常に医療専門職に必要な基礎知識と技術の向上を目指してきました。今後も教育体系の改善を通じて、さらなる質の向上が期待されています。

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