進歩人民党 (ドイツ)

進歩人民党 (Fortschrittliche Volkspartei)

進歩人民党（FVP）は、1910年に設立されたドイツの政治政党であり、帝政時代における自由主義左派の中心的な存在でした。この党は、自由思想家人民党、自由思想家連合、ドイツ人民党の三つの自由主義左派政党が結集して創設され、ブルジョワ政党の中でも最左派に位置しました。FVPは、ドイツ社会民主党（SPD）との関係を深めることで、ブルジョワ政党と無産政党の間の架け橋として機能しようとしました。1918年には、国民自由党左派と合併し、ドイツ民主党（DDP）へと改組されました。

党の創設と初期の活動

進歩人民党の形成の背景には、ベルンハルト・フォン・ビューローによる自由主義左派三党の合同議員団の編成がありました。彼の政権下で、党は植民地政策や外部問題への対応を支持する立場を当初は取っていました。しかし、1909年6月の財政改革案を巡る対立により、自由主義左派三党は結束を崩し、その後の政治的環境の中で彼らは孤立していきました。この状況から脱却するために、商工業界のリベラルな利益団体であるハンザ同盟との連携を強化し、初めて議会外の基盤を築きました。

政治的立ち位置の変化

新たに成立した進歩人民党は、普通選挙の導入と社会政策の推進を目指す一方で、社民党と距離を縮めることで新しい政治的抱負を持ちました。しかし、1912年の帝国議会選挙では、社民党の猛烈な勝利に晒され、FVPは再び挟まれた位置に置かれました。特に、第一次世界大戦前夜には、急進的ナショナリズムが台頭する中、FVPも軍拡に賛成する姿勢を見せ、党内の意見が割れる事態となりました。

戦争とその影響

第一次世界大戦中、進歩人民党は社民党と共に戦争支持を表明する一方で、敵国の領土併合に反対する立場を取ります。この「和解の平和」論を提唱し、その後の戦争の泥沼化の中で社会主義政党や中央党との連携を模索しつつ、無併合・無賠償の和平案を帝国議会で採択しました。1917年、中央党のエルツベルガーが立場を変えたことで、進歩人民党は新たな平和案の主導に加わります。

改革と新党の結成

戦後の混乱の中で、進歩人民党は新党であるドイツ民主党の設立呼びかけに関与しました。この党は、国民自由党と進歩人民党の左派との合流で成立し、戦時中の対外強硬策を取っていた国民自由党の影響を受けつつも、大きな政治的基盤を持たない政党とされました。進歩人民党の役割や姿勢は、常に社民党との関係や、戦後の課題に対してどのように向き合っていくのかに大きな影響を与えました。

結論

進歩人民党は、帝政期ドイツの複雑な政治環境において、ブルジョワと無産階級の間でのバランスを取る試みを続けましたが、その内部での矛盾が徐々に影響を及ぼし、最終的には時代の変遷により再編成を余儀なくされました。このように、進歩人民党はドイツ政治史において独特の立ち位置を占め、政治的と社会的な変化の中でその役割を果たしていきました。

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