進水式

進水式について

進水式（しんすいしき）は、造船における重要な儀式で、新造船を初めて水に触れさせる作業を指します。通常、進水式は命名式と同時に行われ、これは船の誕生を祝う特別なイベントとも言えます。大規模な船舶の場合には、地域住民を招待することもあり、盛大に行われることがよくあります。

進水式の種類

進水式には主に二つの方法があります。一つは「ドック進水」、もう一つは「船台進水」です。ドック進水では、船がドックに水を注入することで浮かべられます。この方法は、安全性が高く、一般的に大型船に利用されます。一方、船台進水は、船が造船台から進水台を滑り降りて水に入水する方式で、通常、船体の前または後ろから水面に入ります。

歴史的背景

進水式の起源は、西洋における古代の慣習にさかのぼります。その中には、ヴァイキングが生け贄として人間を捧げていたという伝説もありますが、後にこれが赤ワインやシャンパンを用いる風習へと進化しました。実際、進水式ではシャンパンのボトルを船体に叩きつける儀式も行われ、この行為は船の洗礼とされます。

シャンパンの使用

進水式でのシャンパンの使用は、歴史的には必須ではありません。他の酒類、例えばウイスキーや日本酒が使われることもあります。近年の一例として、英海軍の空母「クイーン・エリザベス」の命名式では、スコッチ・ウイスキーが使用されたことがあります。日本でも、日本酒を用いる進水式が行われることがあります。

進水式の流れ

進水式は、船台やドックで行われます。第一に起工式が行われ、次に船の基盤となる竜骨が据え付けられ、その後、船体の建造が進みます。船体がほぼ完成すると、進水式の準備が始まります。命名式が最初に行われ、続いて支綱を切断する儀式が行われます。この支綱が切断されることで、船が水に浮かぶのです。

進水の瞬間には多くの儀式が連動し、例えば、くす玉を割ったり、紙吹雪や風船を舞わせる演出が行われます。これらは「新船の誕生を祝う」意味が込められています。

進水式と日本文化

日本の進水式においては、その他の儀式も含まれることがあります。神道式の進水式では、神職が船を清めたり、船主が命名書を読む行為などが行われます。また、斧を用いて支綱を切断する儀式は、特に日本の進水式の特色です。斧は新しく作られ、そのデザインには特別な意味が込められていることが多いです。

まとめ

進水式は新造船にとって特別な日であり、船の誕生を祝う大切なイベントです。世界中で行われるこの儀式は、文化や地域によって様々な形で祝われています。それぞれの船には、その背後にある物語や伝統が息づいており、進水式は船舶とその歴史を記憶する意味でも重要な役割を果たしています。

もう一度検索