運命のルーレット廻して

運命のルーレット廻して

「運命のルーレット廻して」は、ZARDが1998年にリリースした25作目のシングルで、テレビアニメ『名探偵コナン』のために制作された楽曲です。これが同アニメとの最初のタイアップとなり、その後も生前に6回、そして死後に3回の関与がありました。

シングルの概要

この楽曲は、前作に続くアニメタイアップであり、ZARDがその独自の音楽スタイルを発揮する重要な作品です。シングルには、「Just believe in love」以来、カップリング曲としてのカラオケが収録されない方針が取られました。オフボーカルバージョンにはコーラスが含まれておらず、わずかに異なるアレンジが施されているため、異なる楽曲として楽しむことも可能です。この独自のアレンジは、前作の「あなたを感じていたい」以来の2作目となります。

さらに、オープニングテーマとして放送された期間中、特別に青山剛昌がデザインした『名探偵コナン』のカードが裏ジャケットに封入されていたものの、その期間が終了するとともに、一部製品には封入されなくなるという特異な製品展開がありました。

発売までの経緯

「運命のルーレット廻して」は、発売の約半年以上前からアニメでオンエアされていたものの、さまざまな事情から発売が遅延しました。当初、ファンクラブの会報においては7月発売の予定が告知されていましたが、最終的には9月9日に発売されることになり、さらにその後急遽9月17日へと再延期されました。この延期の原因の一つには、楽曲のアレンジが多岐にわたることが挙げられ、特に25パターンにも及ぶバージョンが制作されたと言われています。これにより、発売されたシングルおよびアルバム版では、それぞれのアレンジが異なる独特な音楽体験を提供しています。

楽曲の特徴と音楽性

この楽曲はスパニッシュ・ギターのイントロから始まり、ZARDの楽曲の中でも特にアレンジが豊富です。坂井泉水は、自身の歌詞において「時計じかけのオレンジ」の映像をイメージし、人生の不確実性を反映した詞を作り上げました。リリースから長い間、このシングルバージョンはアルバムに収録されることは少なかったものの、1999年に発売されたベストアルバムにリミックス版が収録され、最終的に2006年にようやくオリジナルバージョンが収められたアルバムも登場しました。

記録と影響

「運命のルーレット廻して」は、1997年のシングル『永遠』以来、オリコンチャートで初登場1位を獲得した楽曲です。また、原作者の青山剛昌やアニメプロデューサーの諏訪道彦もこの楽曲を特別なものとして評価しており、ZARDのファンにとっても特に思い入れの強い楽曲の一つとなっています。

カップリングとリリース

カップリングとして収録された「少女の頃に戻ったみたいに」は、ZARD作品では初めて大野愛果が作曲を担当しました。この曲も人気があり、1999年のベストアルバムで高い評価を得ています。さらに、2016年にはLa PomPonによるカバーがエンディングテーマとして使用され、この楽曲の影響力は今も色あせることがありません。

総じて、「運命のルーレット廻して」は、音楽界に強い影響を与え続けるZARDの象徴的な楽曲であることがその多くのアレンジや楽曲の歴史から見て取れます。

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