運輸政策審議会

運輸政策審議会の概要

運輸政策審議会（うんゆせいさくしんぎかい）は、国家行政組織法第8条および旧運輸省組織令第108条に基づいて、かつて旧運輸省に設けられていた審議機関です。その略称は運政審となります。平成13年（2001年）1月6日に実施された中央省庁等改革基本法に基づく組織再編成に伴い、運輸政策審議会は廃止され、国土交通省内に新たに設置された交通政策審議会にその役割を引き継ぎました。

審議会の役割と機能

運輸政策審議会は、運輸大臣の助言を受けて、全国の輸送体系の構築に必要な基本的政策や計画の策定を行っていました。また、運輸省が所管する行政に関連する基本的な政策や計画について調査および審議を行ない、必要に応じて関係する大臣に対して提言を行う役割も担っていました。これらの答申は、専門家や有識者の知恵を集結させ、長期的な視点で策定されており、現在の運輸政策の多くはこれらの答申に基づいています。

主要な答申内容

運輸政策審議会から出されたいくつかの重要な答申内容には、以下のようなものがあります。

• - 東京圏における高速鉄道網整備計画（昭和60年、1985年）: 東京圏の交通インフラの改善に向けた基本計画を提案しました。
• - 大阪圏における高速鉄道網整備計画（平成元年、1989年）: 大阪地域の高速交通網の整備方針を記載しました。
• - 21世紀を見据えた交通政策の方向性（平成3年、1991年）: 1990年代の交通政策の概要について論じる答申です。
• - 名古屋圏に関する交通網整備（平成4年、1992年）: 名古屋地域の交通網整備のための基本計画についての答申。
• - タクシー事業の今後について（平成5年、1993年）: タクシー事業の将来的な発展に向けた提言です。
• - 需給調整規制の廃止に関する事項（平成10年、1998年）: 国内航空、貸切バス、旅客鉄道事業等での需給調整規制の廃止に向けた環境整備方策を示しました。

これらの答申は、特に都市部における交通効率の向上や、公共交通サービスの質の改善を目指したものが多く、今日の様々な運輸政策の基礎となっています。

関連項目

運輸政策審議会に関連する項目には、都市交通審議会、国土交通省設置法、規制緩和、都市計画などがあります。これらは運輸政策の策定や実施において重要な役割を果たしている機関や法律であり、運輸政策を取り巻く環境を形成しています。

運輸政策審議会は、その存在自体が国内の輸送政策の設計や実施の重要な一環であったため、その影響はいまだに多くの分野に及んでいます。今後の交通政策策定の際には、過去の答申やその成果を踏まえながら進めていくことが求められています。

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