過去への旅路

ニール・ヤング『過去への旅路』

『過去への旅路』（かこへのたびじ、Journey Through the Past）は、カナダとアメリカの著名なミュージシャン、ニール・ヤングによる同名映画のサウンドトラックを収めた、2枚組LP形式のアルバムです。このアルバムは1972年11月にリリースされ、リプリーズ・レコードから刊行されました。様々なフォーマット（レコード、カセットテープ、オープンリール・テープ、8トラック・テープ・カートリッジ）で入手可能ですが、続編である『Time Fades Away』は2017年8月にCDでリリースされたのに対し、『Journey Through the Past』は1970年代のニール・ヤングの作品の中でも唯一、公式にCDとして再発されていないという珍しい立場にあります。

アルバムの構成と収録曲

このアルバムは、複数のセクションに分かれており、それぞれの面には特定の楽曲が収められています。全曲はニール・ヤングによる作詞・作曲が基本ですが、いくつかの楽曲は他のアーティストとの共作やカバーとなっています。

Side One

1. For What It's Worth/Mr. Soul - スティーブン・スティルスとの共作で、均整の取れたサウンドが特徴です。
2. Rock & Roll Woman - スティーブン・スティルスが作曲したこの曲も、協力して演奏され、活気に満ちています。
3. Find the Cost of Freedom - スティルスとの共演が光る短いが力強いトラックです。
4. Ohio - 歴史的な背景を持つ曲で、ニール・ヤングの強いメッセージ性が際立っています。

Side Two

1. Southern Man - 若干長めのトラックで、深いギターと歌声が印象に残ります。
2. Are You Ready for the Country? - ニール・ヤングのピアノ演奏が楽しめる、軽快なリズムの曲です。
3. Let Me Call You Sweetheart - 短いインタールードのような曲で、聴く人に安らぎを与えます。
4. Alabama - ニール・ヤングの力強い演奏が特徴の曲で、政治的なメッセージも含まれています。

Side Three

1. Words - この曲は約16分にわたる壮大なトラックで、アルバムのハイライトとも言える作品です。

Side Four

1. Relativity Invitation - 映画からの対話を収めたトラックで、聴く人に映画の感情を思い起こさせる内容。
2. Handel's Messiah - ヘンデルの名曲がモチーフとなっているクラシカルな楽曲。
3. King of Kings - ミクロシュ・ローザによる、荘厳な雰囲気が魅力的な作品。
4. Soldier - ニール・ヤングの独特なセンスが表現されたバラード。
5. Let's Go Away for Awhile - ビーチ・ボーイズの影響を受けたやや異色のトラックです。

参加アーティストと制作

ニール・ヤングを中心に構成され、多くの著名なミュージシャンが参加しています。スティーブン・スティルスやデイヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュらの名前も見受けられ、彼らの息の合った演奏がアルバムの魅力を増しています。また、制作にはフレデリック・アンダーヒルの写真や、レコーディング技術者たちの協力があったことが記録されています。

『過去への旅路』は、ニール・ヤングの音楽だけでなく、その背後にあるメッセージや思想をも感じさせる一作であり、聴く人に深い感動を与えることが期待できます。

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