道下美里

道下美里の選手人生

道下美里（みちした みさと）は、1977年に山口県下関市に生まれた日本の陸上競技選手であり、主に女子マラソンとブラインドマラソンで活躍しています。彼女は既婚者であり、福岡県太宰府市に住んでいます。アスリートとしての彼女の功績は多岐にわたり、特にパラリンピックの舞台での成功が際立っています。

中学時代に膠様滴状角膜ジストロフィーという難病を発病した道下は、角膜移植手術を受けるものの右目を失明。しかし、彼女はその後もスポーツから離れず、左目も失明した後の26歳から盲学校に通い始めると、健康管理の一環として走ることを始めました。また、名門高校を経て短大を卒業した後、調理師の免許を取得し、まさに次のステップに進もうとしていた矢先のことでした。その後、彼女は中距離競技に取り組むが、最終的にフルマラソンに転向します。

2013年に日本盲人マラソン協会の強化選手に指定され、2014年には防府読売マラソンでT12クラス（重度弱視）として世界新記録を樹立しました。この業績は、彼女にとって重要な転機となりました。2016年のリオデジャネイロパラリンピックでは、女子マラソンT12に出場し、銀メダルを獲得します。この時の成績は3時間6分52秒でした。

2017年、防府読売マラソンでは、その年までの世界記録を2分も更新し、2時間56分14秒で優勝を果たしました。さらに、2020年の別府大分毎日マラソンでは自身の記録を更に更新し、2時間54分22秒で2年連続・通算3度目の優勝を達成。これにより、スポーツニッポンフォーラムから「FOR ALL 2020」グランプリを授与されることになります。

2021年の東京パラリンピックでは、女子マラソンT12に出場し、3時間0分50秒の成績で金メダルを獲得。この記録はパラリンピック新記録でもありました。彼女はこの功績により、紫綬褒章を受章し、名実ともに日本のトップアスリートとしての地位を確立しました。また、山口県下関市の下関中之町郵便局の前には彼女を称えるゴールドポストも設置されています。

2022年2月の別府大分毎日マラソンでは、女子の部で2時間57分20秒のタイムで優勝し、視覚障がい者部門でも3大会連続・通算4度目の優勝を収めました。また、同年10月には東京レガシーハーフマラソンに出演し、フィニッシュしたものの、伴走者が先にゴールしたために失格となるという試練も経験しました。

道下美里は、その素晴らしい成績の裏にある数々の試練と努力を乗り越え、スポーツ界において特別な存在となり続けています。彼女は自らのストーリーを通じて、多くの人々に希望と勇気を与えているのです。

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