道場橋 (越辺川)

道場橋（どうじょうばし）

道場橋は埼玉県坂戸市の横沼と、同県比企郡川島町の上伊草を結び、越辺川を越える埼玉県道269号上伊草坂戸線の重要な道路橋です。現在の橋は1981年に建設され、全長313.5メートル、幅員10.75メートルと、信頼性の高い7径間PC連続箱桁橋の形式を持っています。この橋は車道と歩道が分かれており、洪水時にも通行可能な特性を有しています。

橋の構造

道場橋の支間割は、左岸から順に45.050メートル、44.450メートル、45.025メートル、45.025メートル、44.450メートル、44.450メートル、そして再び45.050メートルと、中央部より両端の支間が長い構造が特徴的です。歩道は下流側のみに設けられ、橋面は放物線状の横断勾配が1.5パーセント付けられています。

両側のアプローチ区間は516メートルに及び、右岸側は街路樹が植えられた盛土、左岸側は高架橋が併用されています。公共交通機関の運行には使用されていないものの、最寄りのバス停留所から少し離れた位置にあります。

歴史

道場橋が架けられる以前、この地点には江戸時代から続く「道場の渡し」という渡船場があり、入間郡の横沼村と比企郡の上伊草村を結んでいました。この渡船場は、幕末の大川道場に由来し、川を渡るための重要な場所でした。明治時代初期には橋の存在が確認できていないものの、その後大正期には木製の道場橋が架設され、渡船場が廃止されました。

1946年、1953年には河川改修が行われ、新しい木製の冠水橋が架設されましたが、これも水害により流失したため、再び架け直されることとなります。1981年には、当時の基準に基づき新たな永久橋が完成しました。

洪水対策

道場橋は洪水に対する耐性を持つ設計になっていますが、過去には1982年の台風18号や、2019年の台風19号などによる大きな水害の影響で、右岸側が冠水する場合もありました。橋の設計には、そのような状況に対応できる工夫が施されています。

周辺環境

橋の周辺は水田地帯が広がり、民家は少なく、自然豊かな環境が保たれています。左岸側には古くからの集落の痕跡が残り、川沿いには歴史的な名所も点在しています。また、周囲には学校や公民館、保育施設などが存在し、地域住民にとって重要なアクセス道路となっています。

道場橋は地域の交通を支え、流域の歴史を物語る象徴的な存在です。今後も地域のインフラストラクチャーとしての役割を果たしていくことでしょう。

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