道頓堀東映

道頓堀東映の歴史と影響

道頓堀東映（どうとんぼりとうえい）は、大阪府大阪市中央区の道頓堀にかつて存在した映画館で、地域の映画文化に大きな影響を与えました。映画館は、1652年に開業した朝日座を前身としており、映画術の流行とともに発展を遂げました。

朝日座は、1908年に松竹によって買収され、その後1911年から映画の興行を開始しました。しかし、1945年の大阪大空襲によって劇場は焼失し、一時は営業を停止することとなります。戦後の1955年3月28日には、東映がこの地を購入し、関西地方初の東映系映画館として大阪東映劇場と地下の大阪東映地下劇場をオープンしました。

1965年には、地下劇場が大阪東映パラスに改名され、新たな映画館として生まれ変わります。さらに、1979年には全面改装を行い、名称を道頓堀東映劇場と道頓堀東映パラス劇場に変更しました。この期間中、道頓堀東映は大阪の映画シーンの中心となり、多くの観客を魅了しました。

しかし時が経つにつれ、映画館の老朽化が進み、周囲の商業環境も変化していきました。特に、浪速区難波中に「なんばパークスシネマ」がオープンし、競争が激化する中で、道頓堀東映は2007年4月20日をもって閉館することとなりました。閉館前の特別イベント「転生・道頓堀東映52年物語」では、浜村淳や北大路欣也のトークショーが開催され、52年間の歴史に別れを告げました。

閉館後、道頓堀東映の跡地は、2007年9月にゴールドマン・サックスグループにより64億6千万円で取得されましたが、その後しばらくの間は進展が見られず、更地のまま放置されていました。2016年には「道頓堀ベニスビル1」が新たに建設され、1階には「マツモトキヨシ道頓堀1丁目店」、2階には「エディオン道頓堀店」がオープンしました。これにより、映画館としての歴史が終わった跡地には新しい商業施設が誕生し、地域の活性化が期待されています。

概要

• - 所在地: 大阪府大阪市中央区道頓堀1丁目4-27（現在の「道頓堀ベニスビル1」の位置）
• - 観客定員数（2007年閉館時）:

- 道頓堀東映（邦画系）：660人
- 道頓堀東映パラス（洋画系）：285人

道頓堀東映の解体により「東映パラス」という名称の映画館はすべて姿を消しましたが、その影響は今なお大阪の映画文化に残っています。道頓堀東映が育んできた映画への熱い思いと情熱は、次世代の映画館にも引き継がれていくことでしょう。また、梅田東映や朝日座など、その歴史的な背景を持つ映画館とも関連し、地域の映画館文化を形成してきた重要な存在だったことが伺えます。

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