遠江三十三観音霊場

遠江三十三観音霊場について

遠江三十三観音霊場（とうとうみさんじゅうさんかんのんれいじょう）は、静岡県内に位置する33か所の札所寺院を巡る観音信仰の霊場です。この霊場は、かつての令制国である遠江国の東部を中心に構成されており、江戸時代以前から続く霊場として今でも多くの巡礼者に親しまれています。

概要

遠江三十三観音霊場は、昔から多くの人々の信仰を集めてきました。遠江国の歴史的な地域を巡り、天竜川から大井川までの間に33の札所寺院と6つの番外寺院が設けられています。特に、観音菩薩への信仰は地域の人々に深く根付いており、以前は主に秋の彼岸の時期に巡礼を行うことが一般的でした。「遠江三十三観音霊場保存会」は、地域の厚い信仰に支えられながら、400年近くにわたる歴史を有する霊場として、その意義を強調しています。

巡礼の道

巡礼は、掛川市の結縁寺を出発点とし、掛川市、袋井市、磐田市、周智郡森町、島田市、菊川市といった地域を巡ります。最終的には岩井寺にて旅が終わります。札所には岩室、大尾山、粟ヶ岳といった名所が含まれており、特に掛川藩領域内での巡礼が行いやすいように設計されている点が特徴です。また、このルートは掛川城を基点にした計画的なものと考えられています。

歴史的な背景

遠江三十三観音霊場の創設時期は明確ではなく、さまざまな説がありますが、室町時代中期から江戸時代以前に始まったとされています。もともと、畿内を中心に広がった西国三十三所が信仰されていましたが、遠方に住む人々にとっては巡礼は大きな負担でした。そこで、地域ごとに西国三十三所を模した霊場が誕生した結果、遠江三十三観音霊場が成立したのです。

1845年に発行された『遠江三十三所巡禮記』は、江戸時代にこの霊場を訪れた人々の記録として重要です。明治維新後も、信仰は衰えることなく、春や秋の彼岸には多くの巡礼者が訪れました。本霊場の存在は、大正年間にも多くの書籍に取り上げられ、静岡県内における重要な信仰の場として知られていました。

札所と番外寺院

遠江三十三観音霊場の

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