遠藤五一

遠藤 五一（えんどう ごいち）氏は、1958年生まれの日本の篤農家です。山形県東置賜郡高畠町佐沢の、江戸時代から続く農家の12代目として育ちました。現在は上和田有機米生産組合の組合長を務め、『やまがた有機農業の匠』や山形県『つや姫マイスター』の認定を受けるなど、高品質な米作りと有機農業の普及に尽力しています。また、スタジオジブリ制作のアニメーション映画『おもひでぽろぽろ』に登場する主人公のモデルとしても知られています。

高校を卒業後、実家の農業を継いだ遠藤氏は、早くから有機農業の可能性に着目しました。1970年には『高畠町有機農業研究会』の設立に関わり、地域における有機農業の推進に貢献します。そして、1986年には自らが中心となり、上和田有機米生産組合を立ち上げました。この組合は、環境に配慮した持続可能な農業を目指し、化学肥料や農薬の使用を極力抑えた米作りを行っています。

遠藤氏が生産する米は、その優れた食味が高く評価されています。特に、「米・食味分析鑑定コンクール:国際大会」では数々の栄誉に輝きました。2003年には品種別部門で金賞を受賞。続く2004年、2005年、2006年には、並み居る強豪を抑えて総合部門で3年連続の金賞を獲得するという快挙を成し遂げました。この功績が認められ、2007年には米に関する最高の栄誉とされる「ダイヤモンド褒賞」を受賞し、「名稲会」会員となりました。名稲会は、食味分析鑑定コンクールで基準を満たした者のみが入会できる特別な組織であり、遠藤氏の技術の確かさを物語っています。

遠藤氏は自らの農場での実践に加え、地域の農業振興にも積極的に関わっています。高畠町の農業委員を務める傍ら、菊池米食味向上技術指導員としても活動し、他の農家への技術指導を行っています。2017年2月には、舞台ファームグループと提携し、提携農家への栽培指導を開始するなど、その活動範囲を広げています。同年6月には、長年の有機農業への貢献と卓越した技術が評価され、「やまがた有機農業の匠」に認定されました。また、山形県が誇るブランド米「つや姫」の栽培技術にも長けており、「つや姫マイスター」としてもその名を馳せています。

メディアへの登場も多く、その信念に基づいた米作りは広く紹介されています。テレビ東京のドキュメンタリー番組『日経スペシャル カンブリア宮殿』では、「信念の米作り ～日本一うまい米を作る男～」と題して特集が組まれました（2007年11月26日放送）。その他にも、日本テレビの『ヒルナンデス!』や『ザ!鉄腕!DASH!!』、テレビ東京の『なないろ日和!』や『虎ノ門市場』など、様々な番組に出演し、その農業哲学や生産する米について語っています。

遠藤氏の取り組みは、日本の有機農業の発展にとって重要な意義を持っています。自然との調和を重んじ、手間暇をかけて高品質な米を追求するその姿勢は、多くの人々に影響を与えています。関連情報としては、氏の米作りを描いた映画『いのちを耕す人々』があり、また、有機農業、つや姫、名稲会、米・食味分析鑑定コンクールといった関連項目と共に語られることが多い人物です。

参考文献・外部リンク

テレビ東京「カンブリア宮殿」2007年11月26日放送「信念の米作り～日本一うまい米を作る男～」
上和田有機米生産組合公式サイト
* NHK 山形・高畠 日本一の米作りをめざして

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