遠藤理のボン・ディマンシュ

茨城放送で放送されていた生放送のラジオ番組です。1998年4月12日に始まり、2006年 4月2日まで足掛け8年にわたって日曜日の午後の時間を彩りました。番組名の「ボン・ディマンシュ」は、フランス語で「美味しい日曜日」という意味を持ちます。パーソナリティは、当時の茨城放送アナウンサーであった遠藤理さんと、中嶋みささんが務めました（中嶋さんは当初「清水みさ」名義）。

番組が始まった1998年当時、茨城放送の日曜昼帯は、主に録音番組やランキング形式の音楽番組などが中心で、生放送はニュースや天気予報を除けばほとんどありませんでした。しかし、「遠藤理のボン・ディマンシュ」は、日曜日13時から17時までの長時間生放送枠としてスタート。その後、2003年 6月1日には終了時刻が16時50分に、2004年 4月4日には開始時刻が12時に変更され、終了時刻も16時20分となりました。そして、最終回を迎えた2006年 4月2日には、12時から16時までの放送となり、番組の歴史に幕を下ろしました。この番組は、それまでの日曜午後の放送スタイルを変革する存在となりました。

番組では、多岐にわたるコーナーや企画が展開されました。茨城ゴールデンゴールズの情報を提供する「おもしろ野球ゴールデンゴールズ」、県内レコード店のアルバム売上を集計する「ボンディ・アルバム・ヌーボー」、特定のテーマに沿った映画について語り合う「ボンディ・シネマ・コンシェルジュ」、アーティストを招いてのトークやミニライブを行う「コマン・サヴァ」などがありました。過去には、新旧ヒット曲を比較する「金馬車プレゼンツナウ＆ゼン」や、つくば市の商業施設から放送された「クレオ・サウンドシティー」といったコーナーも存在しました。

毎週設定される「グランテーマ」や、より気軽な「プチテーマ」も番組の特徴でした。音楽に特化したリクエスト企画や、「ダジャレでGO!」「俳句でGO!」のように、リスナーからのネタ投稿を募る参加型企画が人気を集めました。「賞品無しのクイズ大会」では、リスナーが電話でパーソナリティやスタッフとクイズ対決を行い、勝てばリクエスト曲が流れるというルールで盛り上がりました。他にも、様々な趣向を凝らした「実験ラジオ」や、リスナーのユニークな要望に応える「よりどリクエスト」などが放送されました。

中でも番組を代表する人気企画が「ダービー」です。リスナーからのリクエスト曲を受け付け、抽選でオンエア曲を決定するというシンプルな仕組みながら、多くのリスナーを惹きつけました。この企画は、時代の変遷と共にツールを変え、ポケベル、iモード、そしてFOMAへと進化しました。

FOMAダービーでは、3台の携帯端末（赤、青、ピンク）が用意され、番組からの合図から30秒以内にメールでリクエストを送信。各端末で2番目までに届いた曲にオンエアの権利が与えられ、最終的にルーレットでオンエアされる1曲（ウィナー）が選ばれました。ルーレットには全エントリー失格となる白いマスも存在し、手に汗握る展開が繰り広げられました。ポケベル時代は1番目の着信のみが権利を得てサイコロで抽選、iモード時代はFOMAに近いルールでしたが、当初はメール殺到により混乱したエピソードも残っています。

ダービー企画には、特定のアーティストやテーマに沿った曲のみをリクエストできる「しばり」ルールが不定期に導入されました。洋楽、ビートルズ、サザンオールスターズといったアーティスト縛りや、クリスマスソング、ラブソング、バラード、夏の歌といったジャンル・テーマ縛りなど、様々な「しばり」が登場し、リスナーを楽しませました。また、公開生放送時には、クイズ形式で参加者を募る特別なルールが用いられることもありました。このダービーからは数々の印象的なエピソードが生まれ、最終回で最後にオンエアされた曲も、ダービーで選ばれたものでした。

スタジオを飛び出しての放送も番組の恒例行事でした。「お出かけボンディマンシュ」と題し、各地のお祭り会場やイベント会場から生中継を行いました。特に茨城県内の主要な祭りやイベント会場からの「ふるさと放送局」は人気が高く、年間5〜6回程度実施され、リスナーとの交流の場となりました。場所によっては観覧が制限されるケースもありましたが、多くはお祭り気分の中で番組を楽しめる機会として親しまれました。

また、番組企画としてバスツアーも開催されました。初期にはシャトーカミヤでの花見ツアー、後には裏磐梯グランデコでのスキーツアーが恒例となりました。スキーツアーでは、参加者全員がラジオドラマに出演する企画や、現地からの生放送が行われた時期もありましたが、後に形式は変更されました。これらのバスツアーは高い応募倍率となるほどの人気ぶりでした。

遠藤理さんは、この番組が始まる前にも日曜午後の番組を担当しており、「遠藤理のボン・ディマンシュ」を通じて長年にわたり茨城放送の日曜午後の「顔」としてリスナーに定着しました。番組は、高校野球中継や駅伝中継が入る際には、放送時間の短縮や休止となることもありました。番組の終了後には、「居残り端末」が設置され、簡単なメッセージを送ることができました。番組終了後、中嶋みささんは茨城放送の別の番組でも活躍しました。

「遠藤理のボン・ディマンシュ」は、リスナー参加型の企画、多彩なコーナー、そしてパーソナリティとリスナーの距離の近さで、多くの人々に「美味しい日曜日」を届けた番組でした。

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