遠藤誉

遠藤 誉（えんどう ほまれ）のプロフィール

遠藤誉は1941年1月3日に満洲国新京市、現在の吉林省長春市に生まれました。彼の父、大久保宅次は、アヘン中毒に対する治療薬を製造する製薬会社を経営し、その生業で富を築きました。日中戦争が終わった後、彼は日本の独立まで中国で教育を受けましたが、戦後の混乱の中で過酷な経験をしました。市街戦での流れ弾による負傷や、家族の伝染病感染、さらには長春包囲戦中の飢餓など、彼は多くの苦難を乗り越え、生き延びました。

教育とキャリア

1952年に日本へ引き揚げた後、1961年に東京都立新宿高等学校を卒業し、その後1975年に東京都立大学大学院の理学研究科に進みました。彼の博士論文は、流動相における物理学的現象に関するもので、1982年には研究を終え、理学博士号を取得しました。1983年、彼は著書『不条理のかなた』で読売ヒューマンドキュメンタリー大賞の優秀賞を受賞し、社会評論や自伝小説を書き始めました。

彼はまた、1990年代初頭に文部省の科研代表として北京に赴き、中国問題に関する幅広い研究を行いました。筑波大学では、物理工学系及び留学生センターの教授として1993年から2001年まで活動し、その後も名誉教授となり、中国問題グローバル研究所の所長を務めています。

研究活動と著作

遠藤氏は数多くの著書を執筆しており、その中には『カズ（チャーズ）出口なき大地』や『チャーズ中国建国の残火』など、彼の実体験に基づく作品が多くあります。『カズ』の中では、中国共産党軍による長春の食糧封鎖を生き延びた実際の体験が描かれており、これにより彼は中国現代史に対する深い洞察を得ました。また、彼の著作のいくつかは、中国問題に関する重要な視点を提供するものであり、例えば、習近平に関する分析や、米中関係についての考察も行われています。

パブリックフィギュアとしての活動

彼は、メディア出演も数多く行い、さまざまなテレビ番組での発言を通じて公共の場で意見を述べてきました。例えば、『ひるおび』や『みんなのニュース』など、多くの番組に出演しています。遠藤氏の考え方や研究は、特に中国に関する議題において、国内でのディスカッションに影響を与える存在となっています。

私生活

遠藤誉は、二人の子供と二人の孫を持ち、家族との関わりを大切にしているといいます。彼の過去の経験、特に長春包囲の体験は、彼の社会学者としての視点や文学表現に大きな影響を与えており、彼はその記憶を以て学問及び社会貢献に邁進しています。現在も彼は筑波大学で教鞭を取る傍ら、GRICIの所長として国際的な視野から中国問題に取り組んでいます。

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