遠近競射

遠近競射（えんきんきょうしゃ）についての詳細

弓道における競技は、その伝統と技術の高さから非常に興味深いものであり、特に個人競技での順位決定方法は多様です。その中でも「遠近競射」は重要な役割を担っています。

遠近競射の概要

遠近競射は、「近寄せ」とも呼ばれ、主に全日本選手権などの大会において決勝戦の順位を決める際に行われる手法です。各競技者が弓を引き、矢を放つことで順位を決定するこの方式は、的中がない場合の順位決定にも役立ちます。

射詰とその役割

競技中、まず最初に行われるのが「射詰（いえずめ）」です。これは、選手たちが一人ずつ矢を放つ方式で、的に命中した競技者の中から最高の成績を持つ選手を優勝者として決定します。射詰は、的中した選手同士の順位を明確にし、最優秀者を選ぶ上で非常に効果的です。

矢の放ち方と順位の決定

ただし、同じ的に当たることができなかった選手たちの間の順位を決めるためには、遠近競射が必要です。この場合、各競技者は順番に矢を放ち、その飛んで行く先が的の中心にどれだけ接近するかを基準にして順位が決まります。この際、掃け矢（的の外に外れて地面に滑り込む矢）は最下位として扱われます。つまり、たとえ的に当たっていなくても、中心に近い矢を放った選手がより高い評価を受けることになります。

使用される的について

遠近競射で使用される的は特別に設計されており、直径36cmの「霞的」です。この的には、細い線で描かれた同心円が多数あり、選手はこれに対して射撃を行います。これにより、的の中心からの距離を簡単に測ることができ、順位を明確に判断する資料となるのです。

まとめ

このように、遠近競射は弓道において選手の技術と精神力を試す重要な方法です。選手たちは、競技の中で弓を引き、的に近づけるための努力を惜しまず、常に高い成果を目指しています。競技の結果はもちろん、選手たちの個々の成長や挑戦の姿勢が、弓道の魅力を一層引き立てています。

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