遮断機

踏切遮断機の概要

踏切に設置される遮断機は、主に交通の安全を確保するために通行を制限する装置です。特に鉄道の踏切で用いられる踏切遮断機は、踏切内に進入する自動車や歩行者を防ぐために設置されています。これには大きく分けて手動式と電動式の2つのタイプがあり、手動式は昔から引き続き使用されているものの、電動式が主流となっています。

日本において自動化された踏切遮断機が初めて登場したのは1958年のことであり、それ以降、ほとんどの踏切で自動式の遮断機と警報機が併用されています。古い形式の手動式も存在しますが、これらは多くの場合、踏切警手によって操作されています。なお、踏切遮断機は、停電時にも安全が確保されるように設計されており、無電源時には自動的に遮断桿が下がる仕組みになっています。

種類と機能

踏切遮断機は、遮断桿の可動方法に応じていくつかの種類に分類されます。例えば、遮断桿が下がる速度や上がる速度が異なる制御駆動方式や、運用される電源の種類によって直流形や交流形に分かれます。それぞれで使用される電動機にも違いがあり、直流形では直巻電動機やブラシレス電動機、交流形では誘導電動機が使用されています。

遮断機の内部には、遮断桿の位置を保持するためのブレーキ装置や、異常な圧力がかかった際に電動機を保護するフリクションクラッチが組み込まれています。これにより、遮断桿は安全に動作し、万が一のトラブル時にも対応できます。

種別

踏切遮断機にはいくつかの異なるスタイルが存在します。一般的なものとしては、片側腕木式と両側腕木式があり、これらは遮断桿の配置によって異なります。腕木式が最も一般的で、遮断桿の長さは昔の6mから現在の8mへと進化しています。更に走行幅の広い踏切では、最大20mまでの遮断が可能な「2段折れ形遮断桿」もあります。近年は、より目立つための設計として、黒と黄色の縞模様や赤白模様の遮断桿が使用されています。

昇開式踏切遮断機は、ワイヤーを上下に動かすことで踏切を遮断します。一方、引戸式は左右に扉を開閉して遮断します。さらに、綱張式では綱や鎖を張ることで進入を防ぐ仕組みになっています。

安全確保の技術

踏切遮断機は、設計の段階から安全面が考慮されています。特に、強風などの悪天候時でも確実に動作するように、連続風速15m/sでも安全に遮断できる性能が求められています。また、過去の基準で設定された旧式の遮断機も依然として現場で利用される場合があり、こうした技術の進化も見逃せません。

まとめ

踏切遮断機は、道路と鉄道の交差点で安全を守るための重要な機器です。さまざまな種類があり、それぞれに特有の機能や利点があります。技術の進化に伴い、より安全で効率的な遮断機が導入されていますが、その根底には人々の交通安全を守るという意義があります。

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