郡山市歌

福島県の中核都市、郡山市には、市が定める二つの歌があります。古くから伝わる「郡山市歌」と、昭和中期に制定され現在広く親しまれている「郡山市民の歌」です。これらはそれぞれ異なる背景と歴史を持っています。

郡山市歌

まず、「郡山市歌」をご紹介します。この歌の正確な制定年は不明ですが、「郡山市民の歌」（1954年制定）よりも古い時代に作られたと考えられています。長い年月を経て、この歌の楽譜は失われ、その正確な内容が分からなくなっていました。しかし、1995年頃、当時の郡山市議会議員、鈴木武司氏が残された音の記憶を頼りに「採譜」を行い楽譜の復元を試みました。その後、明治学院大学図書館附属日本近代音楽館で資料が発見され、歌の全容が明らかになりました。現在では郡山市のウェブサイトで楽譜と歌詞が閲覧できます。歴史的な歌ですが、日常的に歌われる機会は少ないようです。

郡山市民の歌

一方、「郡山市民の歌」は、郡山市の市政施行30周年を記念して、1954年（昭和29年）に制定されました。歌詞は一般公募で内海久二氏の作品が選ばれ、作曲は福島県出身の著名な作曲家、古関裕而氏が手掛けました。古関氏による力強いメロディーは、多くの市民に受け入れられ、制定から約70年経った現在も郡山市を代表する歌として広く親しまれています。市内で正午に流れる防災無線のメロディーに使われるなど、様々な場面で耳にする機会があります。歌詞や音声ファイルは市のウェブサイトからダウンロードできるほか、郡山市文化振興課でCDも販売されており、手軽に入手可能です。

まとめ

このように、郡山市には歴史的な「郡山市歌」と、現在に息づく「郡山市民の歌」が存在します。それぞれが市の歩みと市民の誇りを表す歌として位置づけられています。

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