郭景祥

郭景祥（かく けいしょう）

郭景祥は、元末から明初にかけて活躍した官僚であり、その生没年は明らかになっていません。本貫は濠州です。朱元璋の初期の功臣として、内政や外交で重要な役割を担いました。

生涯

郭景祥は、朱元璋に従い長江を渡り、その麾下で活躍しました。李夢庚と共に文書の作成を担当し、朱元璋の戦略立案を補佐しました。その後、行中書省左右司郎中として、行政実務を分担して担当しました。さらに、浙東分省の監督官を務めた後、大都督府参軍として再び中枢に戻りました。

郭景祥は、その誠実で正直な人柄で知られていました。彼は、経書や史書を広く渉猟し、事にあたっては遠慮なく直言する人物でした。そのため、朱元璋からの信頼は厚く、「景祥は文官ではあるが、外交交渉で侮られることのない能力を持ち、私に忠義を尽くすことができる。大きな任務を任せることができる」と評されました。

滁州、太平、溧陽を攻略した後、それらの城郭が破壊されたため、郭景祥は修復工事の監督を命じられました。また、長く放棄されていた和州の城郭の再建も担当し、旧城址に新たな城を築きました。この工事はわずか90日ほどで完了し、郭景祥の優れた能力を示す出来事となりました。朱元璋は彼の功績を認め、和州総制に任命しました。和州において、郭景祥は城郭を拡張し、屯田を広げ、兵士の訓練を行うなど、その地を発展させました。これにより和州は、重要な拠点として機能するようになりました。彼の最終的な官職は、浙江行省参政でした。

子女

郭景祥には一人の息子がいました。ある時、その息子が父を殺そうとしているという噂が洪武帝（朱元璋）に伝えられました。洪武帝は、その息子を処刑しようとしましたが、馬皇后が「景祥には息子が一人しかおりません。噂が事実でない可能性もあります。もし殺してしまえば、景祥の後継者が途絶えてしまうでしょう」と諫めました。結果として、この件は冤罪であったことが判明しました。この逸話からも、郭景祥が周囲から信頼され、その家系が重んじられていたことが伺えます。

脚注

郭景祥に関する記述は、『明史』巻135 列伝第23に詳しい記載があります。

参考文献

* 『明史』巻135 列伝第23

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