都市対抗野球大会 (愛知県勢)

愛知県勢の都市対抗野球戦績

本稿では、アマチュア野球の最高峰である都市対抗野球大会における、愛知県勢のこれまでの歩みと戦績についてまとめています。

概況

愛知県勢は、都市対抗野球の創設当初から常に本大会に駒を進めており、第1回大会から全ての回で代表チームを送り出している数少ない地域の一つです。予選制度は時代と共に変化してきました。大会黎明期には、県庁所在地である名古屋市が単独の出場枠を有していた期間が長く、それ以外の市町村に本拠を置くチームは、東海地区や東海北陸地区といった広域の予選を勝ち抜く必要がありました。その後、名古屋市の単独枠は廃止され、東海北陸地区全体での予選を経て、現在のように東海地区予選の一部として本大会出場を目指す形式へと移行しました。

長年にわたり連続出場を果たしてきた愛知県勢ですが、栄光の黒獅子旗、すなわち優勝旗を手にするまでには長い時間を要しました。幾度となく決勝戦の舞台には進出するものの、あと一歩のところで涙をのむ戦いが続き、県勢として初めて優勝を成し遂げたのは、2004年に開催された第75回大会での春日井市・王子製紙でした。

特に1970年代前後には、本大会での苦戦が目立つ時期もありました。このため、多くの大会に出場しているにもかかわらず、通算の勝率は4割台後半に留まっています。これは、同じく出場回数の多い東京都や神奈川県勢が6割を超える高い勝率を挙げているのと比較すると、差がある状況と言えます。しかし近年は、愛知県内から毎年4チーム前後が予選を突破し、本大会に出場するなど、地域内のレベル向上とチーム数の増加が見られます。

通算成績

第95回大会終了時点（中止となった第15回大会を除く）での愛知県勢の通算成績は以下の通りです。

延べ出場回数: 195回
優勝回数: 3回
準優勝回数: 10回
通算勝敗: 160勝192敗1分
* 通算勝率: .455

その他

本項では、愛知県内から本大会に出場した各チームの詳細な戦績や、他県勢との個別の対戦成績についても統計が取られていますが、ここでは割愛します。なお、過去には愛知県勢同士が本大会で対戦したケースが1試合あります。

都市対抗野球における愛知県勢は、全大会出場という稀有な記録を継続しつつ、長年の苦闘の末に掴んだ優勝、そして近年は複数のチームが本大会に顔を出すなど、常に日本の社会人野球史において重要な一角を占めています。

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