都市緑地法

都市緑地法について

都市緑地法は、都市における緑地の保全と緑化を推進することにより、良好な都市環境の形成を図ることを目的とした法律です。都市公園法などの関連法規と連携し、都市の健全な発展と、そこに住む人々の健康で文化的な生活を支えることを目指しています。

この法律は、当初「都市緑地保全法」という名称でしたが、2004年の改正により現在の「都市緑地法」に改称されました。この改正は、都市における緑地の保全だけでなく、緑化の推進にも重点を置くことを明確にするものでした。

目的

都市緑地法は、以下の目的を掲げています。

都市における緑地の保全と緑化の推進に必要な事項を定めること。
都市公園法などの関連法規と連携し、都市の自然的環境を整備すること。
良好な都市環境を形成し、健康で文化的な都市生活を確保すること。

構成

都市緑地法は、以下の章で構成されています。

第一章：総則
法律の目的や定義などが規定されています。
第二章：緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画
緑地の保全と緑化に関する基本計画について規定されています。
第三章：緑地保全地域等
緑地保全地域、特別緑地保全地区など、緑地を保全するための地域について規定されています。
第一節：緑地保全地域
第二節：特別緑地保全地区
第三節：地区計画等の区域内における緑地の保全
第四節：管理協定
第五節：雑則
第四章：緑化地域等
緑化を推進するための地域について規定されています。
第一節：緑化地域
第二節：地区計画等の区域内における緑化率規制
第三節：雑則
第五章：緑地協定
土地所有者などが緑地の保全や緑化に関する協定を結ぶことができる制度について規定されています。
第六章：市民緑地
市民が自ら緑地を整備・管理する制度について規定されています。
第七章：緑化施設整備計画の認定
民間事業者が行う緑化施設の整備計画を認定する制度について規定されています。
第八章：緑地管理機構
緑地の管理を行う機関について規定されています。
第九章：雑則
その他の事項について規定されています。
第十章：罰則
法律違反に対する罰則について規定されています。

緑地管理協定

都市緑地法では、土地所有者と自治体が緑地の保全や管理に関する協定を結ぶことができる「緑地管理協定」制度が設けられています。この制度を活用することで、個人の所有する緑地を適切に管理し、地域全体の環境保全に貢献することが可能となります。

事例：松戸市の緑地管理協定

日本初の事例として、2009年9月24日に千葉県松戸市が地権者との間で緑地管理協定を締結しました。この協定では、樹木が生い茂り利用が困難であった傾斜地0.8haを、松戸市が管理する土地としました。この協定は20年間有効で、地権者は樹木の伐採が制限され、土地は保全されます。また、地権者は相続税の減免措置を受けることができます。一方、松戸市は約250万円の年間維持管理費を負担することとなります。この協定は、個人の所有する緑地を地域全体の財産として守っていくための、有効な手段となることが期待されています。

関連情報

環境法令一覧
環境法
日本の環境と環境政策

外部リンク

都市緑地法施行令 e-Gov法令検索
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