都甲潔

都甲 潔（とこう きよし）

都甲潔は、1953年に福岡県で生まれた日本の電子工学者で、現在は九州大学工学部で教授を務めています。彼は主に味覚センサーの開発で知られ、特に生物の自己組織化に関する研究にも力を入れています。彼の研究は、科学技術の発展に寄与し、多数の賞を受賞しています。

経歴

福岡県立福岡高等学校を卒業後、九州大学工学部電子工学科に進学。その後、大学院で博士号を取得し、工学部に助手として雇われました。1983年に「A study of electrochemical effects of monovalent and divalent cations on some model biomembranes」により、九州大学から工学博士を授与されました。1997年には大学院システム情報科学研究科の教授へと昇進し、2008年から2011年にかけて大学院システム情報学研究院の院長を務めました。

都甲は、味覚センサーの研究において高い評価を得ており、2006年には文部科学大臣表彰の科学技術賞を受賞、2008年には食創会の安藤百福賞優秀賞を授与されました。2010年には立石賞功績賞を受賞し、再びその業績が認められました。味覚センサーだけでなく、匂いセンサーに関する研究も行い、2007年には消防庁長官表彰を受けました。彼の研究は、防衛分野にも応用される可能性があります。

2013年には紫綬褒章を受章し、その後も山崎貞一賞を受賞しました。彼の業績は、味覚と嗅覚研究の先駆者としての地位を確立するものであり、多くの人々に影響を与えています。

研究内容

都甲は、当初は人工生体膜の研究を行っていましたが、独自のニンジン嫌いがきっかけで味覚に興味を持つようになりました。彼は、味蕾が感じ取る電位差を脳がどのように認識するかに焦点を当て、味覚センサーの開発に取り組みました。

味覚センサーは、相互作用を電圧の変化として捉え、それをパターン化して味の質と強度を測定します。具体的には、酸味、苦味、甘味、塩味、旨味の5つの基本的な味覚を識別することができます。辛味については、味覚ではなく痛覚として感知されるため、測定対象には含まれていません。彼の研究は、味の客観的な評価基準を確立するための重要なステップとなっています。

主な業績

都甲は多くの著作を残しており、1991年には「美味しさを測る」を発表し、続いて「旨いメシには理由がある」などを執筆しました。また、共著や編著も多岐にわたり、センサー技術に関する知識を広めています。彼の著作は、一般書としても多くの読者に親しまれています。

結論

都甲潔は、科学技術の分野で顕著な業績を残している研究者であり、味覚や匂いに関する新たな知見をもたらしました。彼の研究は、味覚センサーの実用化を進め、さらなる発展が期待されています。

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