鄭貴弘

鄭貴弘

鄭貴弘（チョン キホン）は、1986年10月2日に大阪府で誕生した、日本の元ラグビーユニオン選手である。フィールドにおける彼の役割は、スクラム最前列で相手と組み合うプロップ（PR）だった。身長185cm、体重110kgという、このポジションに求められる強靭なフィジカルを備えていた。また、国際舞台では韓国代表としてプレーした経験も有する。

経歴

アマチュア時代

鄭氏のラグビーキャリアは、大阪府内の学校でスタートした。高校は全国的に知られるラグビーの強豪校、大阪朝鮮高級学校に進学。高校在学時には、ラグビープレーヤーにとって憧れの舞台である全国高等学校ラグビーフットボール大会（通称：花園）に2度出場し、チームの中心選手として活躍した。さらに、当時の高校世代の優秀選手が集まる祭典である第28回全国高校東西対抗試合の出場メンバーにも選ばれるなど、高校レベルで高い評価を受けていた。

高校卒業後の2005年には、京都産業大学へと進学し、関西の大学ラグビーリーグで技と体を磨き続けた。

プロキャリア

大学での学びを終えた2009年、鄭貴弘は当時のトップリーグに所属していた近鉄ライナーズ（現在の花園近鉄ライナーズ）に入団し、プロ選手としての道を歩み始めた。近鉄ライナーズでは合計5シーズンにわたりプレー。日本ラグビーの最高峰リーグで経験を積んだ。彼のトップリーグ公式戦におけるデビュー戦は、2012年10月20日に行われたジャパンラグビートップリーグ2012-2013シーズンの第7節、対トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦だった。この試合に先発メンバーとして名を連ね、トップリーグでの記念すべき初出場を果たした。

2014年には、新たな環境を求めて近鉄ライナーズを離れ、釜石シーウェイブスRFCへと移籍した。釜石での最初のシーズンとなった2014年度は、チームにとって不可欠な存在となり、ほとんどの試合で先発メンバーとして出場した。プロップとして最前線で体を張り続け、チームを当時のトップリーグ下部に位置するトップチャレンジ、そしてその後のトップリーグ入替戦へと導く重要な貢献を果たした。釜石でのプレーを続けた後、2016年にチームを退団。これを節目に、現役のラグビー選手としてのキャリアに幕を閉じた。

韓国代表

ナショナルチームレベルでは、ラグビー韓国代表としてもプレー経験を持つ。国際試合の舞台に立つことは、鄭氏のキャリアにおいて特筆すべき実績の一つである。

大阪での育成期間を経て、日本のトップリーグで強靭なプロップとして活躍し、韓国代表としてもプレーした鄭貴弘氏は、ラグビー界における確固たる足跡を残した選手と言えるだろう。

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