配置図

UML配置図：システム実装の構造を可視化する

統一モデリング言語(UML)の配置図は、システムを構成するハードウェアやソフトウェアコンポーネント、それらの間の関係性を表現する図です。システムの実装構造を分かりやすく視覚化することで、開発者や関係者間の共通理解を促進し、システム設計や運用管理の効率化に役立ちます。

配置図の構成要素

配置図には、主に以下の要素が含まれます。

1. ノード:

ノードは、システムを構成する物理的なハードウェアや、ソフトウェア実行環境（OS、ミドルウェアなど）を表します。図上では立方体で表現され、内部にノード名（例：Webサーバー、データベースサーバー）を記述します。

2. ノードインスタンス:

ノードインスタンスは、特定のノードの種類に基づいて実際に動作する個々のインスタンスです。ノードと同様に立方体で表現され、インスタンス名とベースとなるノード名を記述します（例：`DB1: データベースサーバー`）。下線を引いてノードインスタンスであることを示します。

3. 成果物:

成果物は、ソフトウェア開発の成果物、例えば、データベース、プログラム、ライブラリ、設定ファイル、ドキュメントなどを表します。図上では長方形で表現され、内部に`<>`と成果物名を記述します（例：`<> Webアプリケーション`）。

4. 関連:

関連はノードや成果物間の関係性を表す線で、通信経路や依存関係を示します。関連の線には、ステレオタイプ（例：`<>`, `<>`）や多重度（1対1、1対多など）を付加して詳細な関係性を記述できます。

ノードとノードインスタンスへのステレオタイプの付与

ノードやノードインスタンスには、`<< >>` で囲まれたステレオタイプを付与することで、その役割や性質をより明確に記述できます。例えば、以下のステレオタイプが使用可能です。

`<>`
`<>`
`<>`
`<>`
`<>`
`<>`
`<>`
`<>`
`<>`
`<>`
`<>`

これらのステレオタイプは、ノードやノードインスタンスの種類をより具体的に表現するのに役立ちます。

関連へのステレオタイプの付与

ノード間の関連にもステレオタイプを付与することで、通信プロトコルや接続方法などを明確に記述できます。例えば、以下のステレオタイプが使用可能です。

`<>`
`<>`
`<>`

これにより、システムのアーキテクチャをより詳細に表現できます。

配置図の活用例

配置図は、システムの物理的な構成を理解するのに非常に有効です。例えば、複数のサーバー、ネットワーク機器、データベースなどがどのように接続され、連携しているのかを明確に示すことができます。これにより、システムの設計、構築、運用、保守などの様々な段階において、関係者間の共通理解を促進し、問題解決を支援します。また、システムの拡張や変更を行う際にも、配置図を参照することで影響範囲を容易に把握することができます。

まとめ

UML配置図は、システムの実装構造を視覚的に表現する強力なツールです。適切に作成された配置図は、システム開発のあらゆる段階において、効率的なコミュニケーションと問題解決に貢献します。本記事で紹介した構成要素や表記法を理解し、配置図を効果的に活用することで、より効率的で堅牢なシステム設計を実現することができます。

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