酒井貴政

酒井 貴政（さかい たかまさ）氏は、1988年5月18日に広島県呉市で生まれた、かつてプロサッカー選手として活躍し、現在はサッカー指導者として活動している人物です。
ポジションはミッドフィールダーを務めました。

選手としての歩み

酒井氏のサッカーキャリアは、地元である呉市立昭和北小学校のサッカー部で、小学2年生から始まりました。小学5年生まで同校でプレーした後、小学6年生からはサンフレッチェ広島F.Cの育成組織へと活躍の場を移しました。広島ジュニアに所属し、この時期の同級生には、後にプロとなる平繁龍一氏がいました。

広島ジュニア時代からボランチとして頭角を現し、2000年には全日本少年サッカー大会に出場。同年開催された全日本少年フットサル大会ではチームを準優勝に導き、自身も大会優秀選手に選ばれるなど、その才能を早期から発揮しました。

広島ジュニアユースへ昇格後も、上野展裕氏の指導のもと成長を続けました。2002年にはナイキプレミアカップジャパンで準優勝し、その結果、翌2003年には世界規模の大会であるマンチェスター・ユナイテッド・プレミアカップへの出場を果たしました。この経験は、若くして国内外の高いレベルに触れる貴重な機会となりました。

ジュニアユース卒業後、酒井氏は岡山県にある作陽高等学校へ進学しました。高校時代は野村雅之氏の指導を受け、ミッドフィールダーとしての能力に加え、フォワード（ウイング）としても起用されることで、攻撃のバリエーションを増やしました。高校3年次にはチームのキャプテンとして精神的な支柱となり、第85回全国高等学校サッカー選手権大会では準優勝という素晴らしい成績に貢献し、高校サッカー界でその名を轟かせました。

高校卒業後は、高知大学へと進学しました。大学の同期には、後にJリーガーとなる實藤友紀氏がいました。大学時代には、2009年に膝蓋骨損傷という大きな怪我に見舞われ、およそ1年間をリハビリに費やす苦しい時期を経験しました。しかし、この困難を乗り越え、復帰後の2010年には4年次のキャプテンとしてチームを牽引。第59回全日本大学サッカー選手権大会ではベスト4に進出するなど、チームを全国の舞台で活躍させました。

プロキャリア

大学を卒業した2011年、酒井氏はJリーグに所属するカターレ富山へ加入しました。これは、酒井氏が広島県呉市出身者として初めてJリーガーとなった瞬間であり、地元のサッカー界に新たな歴史を刻む出来事でした。
カターレ富山では2011年9月11日のJ2第27節湘南ベルマーレ戦（富山開催）でJリーグ初出場を果たしました。
しかし、出場機会を求めて、2012年にはカマタマーレ讃岐へ期限付きで移籍しました。この2012年シーズン終了をもって、プロサッカー選手としての現役生活に終止符を打ちました。

指導者としての活動

現役引退後、酒井氏はすぐにサッカー指導者としての道を歩み始めました。2013年からはファジアーノ岡山の育成年代でコーチとして、将来有望な若手選手の指導にあたりました。2016年2月には、同クラブのU-15チームの監督に就任し、高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会への出場を果たすなど、指導者としての手腕を発揮しました。
そして、2017年からは、自身の母校である岡山県作陽高等学校のサッカー部監督に就任し、再び高校サッカーの舞台に戻り、選手育成とチーム強化に情熱を注いでいます。

まとめ

酒井貴政氏は、選手としてはサンフレッチェ広島の育成組織から始まり、高校、大学では主将としてチームを牽引し、プロの舞台も経験しました。引退後は指導者として、ファジアーノ岡山の育成部門や母校作陽高校で指揮を執るなど、一貫してサッカー界、特に選手の育成・強化に深く関わり続けています。自身の豊富な経験を次世代に伝え、未来のサッカー選手の育成に尽力しています。

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