酸化還元反応(さんかかんげんはんのう)は、物質間で
電子の授受が行われる
化学反応です。英語の「Reduction」と「Oxidation」を組み合わせ、一般的にレドックス反応とも呼ばれています。この反応では、ある物質が
酸化される一方で、別の物質が
還元されるため、
酸化と
還元は常にペアとして存在します。このため、
酸化還元反応は、反応物や生成物の状態によって異なる呼称が使われることがありますが、全てが
酸化還元反応の一部です。
[酸化]]還元反応の狭義の理解として、
金属と
酸素の
化学反応を考えてみましょう。例えば、
銅は
空気中の
酸素と反応し、
酸化銅](CuO)が生成されます。
[銅は
酸化され、
酸素は
還元され、
金属銅に戻すことも可能です。このとき、
銅を
酸化する
酸素は
酸化剤となり、
酸化銅]を[[還元する炭素は
還元剤として機能します。逆に、
銅の
酸化反応においては、
酸素は最終的に
酸化物イオンとなり、
還元されています。
また、
酸素が関与しない
酸化還元反応も存在します。例えば、
亜鉛と
銅の反応では、
金属亜鉛が
電子を失って
亜鉛イオンとなり、
銅イオンは
電子を受け取って
金属銅に変化します。
酸化還元反応において、反応物と生成物の
電子のやり取りを追跡するために「
酸化数(oxidation number)」という概念が導入されます。反応の前後で
酸化数の総和は変化しないため、各
原子の
電子の授受状況を
酸化数の変化から把握することができます。
酸化数は次のように決められます。
酸化還元反応において、
電子が授受される方向はそれぞれの
酸化剤や
還元剤の強さで決まります。その強さを示す尺度が「
酸化還元電位」です。
酸化還元電位は、標準水素電極(SHE)を基準に定義され、電極の活量が1の際の電位が標準となります。
酸化還元反応は、通常二つの半反応に分かれ、電池などの機能を持ちます。電池の起電力は、
酸化還元電位の差によって決まります。
酸化還元反応の理解は、化学の多くの分野で非常に重要です。その基本的な原理から応用まで、様々な場面で活用されています。