重度訪問介護従業者

重度訪問介護従業者について

重度訪問介護従業者とは、障害者総合支援法に基づく重度訪問介護サービスを提供する専門資格です。都道府県知事が指定する養成研修を修了した者がこの資格を取得できます。この資格は、特に重度の障害を持つ方々（障害程度区分3～6）に対して、質の高い介護サービスを提供するために設けられました。

資格の概要

重度訪問介護従業者は、2006年に施行された障害者自立支援法（現在の障害者総合支援法）に基づき、居宅介護（障がい者ホームヘルプ）業務の中でも、特に障害の程度が重いと認定された方々への介護を担当します。資格の付与は、研修を実施する事業者によって行われ、修了証明書や修了証書が資格証となります。

資格の現状

一般的には、まだ認知度が高いとは言えませんが、介護保険法に基づく訪問介護員資格などと比較して、障害者の特性や応用技術に重点を置いた研修内容のため、その需要は高まりつつあります。厚生労働省は介護に携わる者の資格を介護福祉士に一本化する方針を示していますが、現状では、需要に対して供給が追いついておらず、特に重度障害者の介護現場では常に従事者が不足している状況です。

養成研修

重度訪問介護従業者の資格取得には、基礎課程と追加課程の2つの課程があります。受講要件は自治体によって異なるため、受講を希望する場合は、各研修事業者に直接問い合わせることが重要です。

業務内容

• - 基礎課程：障害程度区分5以下の方に対する重度訪問介護業務を行います。
• - 追加課程：全ての障害程度区分の方に対する重度訪問介護業務を行います。

研修内容

研修は全国の都道府県で実施され、日程は各都道府県で異なります。以下に広島県での研修例を紹介します。

基礎課程

• - 講義

- 重度の肢体不自由者の地域生活と従業者の職業倫理（2時間）
- 基礎的な介護技術（1時間）

• - 実技

- 基礎的な介護と重度の肢体不自由者とのコミュニケーション技術（5時間）
- 外出時の介護技術（2時間）

追加課程

• - 講義

- 医療的ケアを必要とする重度訪問介護利用者の障害と支援（4時間）
- コミュニケーションの技術（2時間）
- 緊急時の対応と危険防止（1時間）

• - 実習

- 重度の肢体不自由者の介護サービス提供現場での実習（3時間）

関連資格

重度訪問介護従業者の業務に関連する資格として、以下のようなものがあります。

• - 介護福祉士
• - 訪問介護員
• - 社会福祉士
• - 介護支援専門員
• - 社会福祉主事
• - 福祉住環境コーディネーター
• - 福祉用具専門相談員
• - 精神障害者ホームヘルパー
• - 居宅介護従業者
• - 行動援護従業者
• - 移動介護従事者
• - 難病患者等ホームヘルパー
• - 医療福祉環境アドバイザー
• - 健康生きがいづくりアドバイザー
• - 同行援護従業者

これらの資格と連携することで、より質の高い介護サービスを提供することが期待されます。

重度訪問介護従業者は、重度障害者の自立を支援する上で欠かせない存在であり、今後ますますその重要性が高まっていくでしょう。

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