重連運転

重連運転について

重連運転（じゅうれんうんてん）は、鉄道において2両以上の機関車や特種車両を連結して運転する方法です。この運転方式は、さまざまな目的で行われ、特に牽引力を増加させることで急勾配のある区間での走行を可能にします。また、冗長性を持たせることで信頼性を向上させる役割もあります。

重連運転の目的

重連運転は以下のような目的で実施されます：

• - 牽引力の増加：大型貨物を運ぶ際や、急勾配を登る必要がある時に必須です。
• - 冗長化：メインの機関車に何らかの故障が起こった場合でも、補助機関車が牽引を引き続き行えることで運行を維持できます。
• - 特別な用途：行事や観光用列車の場合、重連運転は目を引く重要な演出としての役割も果たします。

この際、補助機関車は「補機」、メインの機関車は「本務機関車」と呼ばれます。

重連の種類

重連運転は、通常2両の機関車で行われますが、必要に応じて3両（三重連）や4両（四重連）で行われることもあります。また、背中合わせに連結された片運転台の蒸気機関車を利用する「反向重連」といった形も存在します。重連運転は、通常、先頭に連結された機関車で行われますが、運用面や軌道の耐荷重の問題によっては「プッシュプル」と呼ばれる形式も取られます。

使用する機関車の特性

重連運転を行う際には、使用する機関車同士の走行特性が合致していることが望まれます。そのため、補助機関車は本務機関車と同型であることが一般的ですが、様々な都合で異なる形式の機関車が用いられることもあります。

特に、電気機関車やディーゼル[[機関車]]には、複数の機関車を一つの運転台から制御できる「重連総括制御装置」が搭載されているものもあり、これによって運転コストの削減に繋がります。土地柄や運転状況に応じて、無線操縦を用いることもあります。

各国の重連運転

イギリスにおける重連運転

イギリスでは、1838年にロンドン・バーミンガム鉄道が開業し、その当時の蒸気機関車の小型化が進んでいたため、重連運転が頻繁に行われていました。特に、エドワード・バリーが設計した蒸気機関車は牽引力が不足していたため、常に重連運転が求められました。

日本における重連運転

日本は山岳地帯が多く、急勾配区間が多いため、重連運転が普遍的に行われています。ただし、1987年の国鉄分割民営化以降、貨物列車を運行するJR貨物が鉄道使用料を削減するために、重連運転の機関車を動軸数の多い単機での運行に切り替えることが増えています。また、旅客列車の牽引を行っていた機関車は次第に減り、現在は主に臨時列車での運用が多く見られます。

特殊運転の形式

「電蒸運転」や「蒸電運転」といった形式も存在します。前者は電気機関車を先頭に蒸気機関車を連結して運転する方法で、故障が多かった初期の電気機関車を補うために用いられました。一方、蒸電運転は逆に、蒸気機関車を先頭に電気機関車を連結する方式で、イベント列車などでしばしば目にすることができます。

結論

重連運転は、鉄道の運行において欠かせない技術であり、特に日本のような地形においては必要不可欠です。その多様な運転形式や目的により、鉄道輸送の実現可能性を大きく高めています。

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