野々山一三

野々山 一三の生涯と業績

概要

野々山一三（ののやま いちぞう）は、1923年9月24日に愛知県碧海郡富士松村で生まれ、2013年1月19日に亡くなった日本の政治家であり労働運動家です。彼は参議院議員として2期在任し、労働者の権利向上に尽力しました。

生い立ちと戦争体験

小作農の家庭に生まれた野々山は、高等小学校を卒業後、国有鉄道に就職しました。1942年には教師養成所を卒業して、20歳で機関士としてのキャリアをスタートさせます。しかし、1944年には召集され、フィリピンに派遣されることとなります。戦局が厳しくなる中で、ルソン島に上陸後、捕虜となり、戦争の厳しい現実を経験しました。1945年に帰国した際、彼の部隊は960名が参加していたものの、生存者は20人程度で、その身も栄養失調に陥っていました。

労働運動家としての活動

戦後、野々山は社会党の鈴木茂三郎と伊藤好道に師事し、国鉄労働組合に参加します。そこで彼は、青年部長や本部中央執行委員などの要職を歴任し、労働者の権利を擁護するために奔走しました。特に1959年には国鉄志免炭鉱の払い下げ問題で現地の闘争を指導しましたが、その方針が批判を受け退任。その後は全日本交通運輸労働組合協議会の事務局長に就任し、様々な労働団体での役職を歴任する中で、労働法令や労働基準についての審議会の委員としても活動しました。

政治家としての経歴

1962年の第6回参議院選挙に全国区から出馬し、日本社会党所属で初当選を果たします。その後、1968年には再選を目指しましたが落選。1971年の第9回通常選挙では再度当選し、以降、参議院建設委員長や国土開発幹線自動車道建設審議会の委員など、重要な役職を務めました。1977年の参院選には出馬せず、また1979年には衆議院議員の後継として旧愛知4区から立候補するも落選を経験します。1980年の第36回総選挙においても再び落選しました。

晩年と栄誉

野々山は2013年1月19日に89歳で死去しました。彼の政治家としての活動と労働運動家としての努力は、多くの人々の記憶に残っています。彼の死後、従四位に叙され、また1993年には勲二等瑞宝章を受章しています。

参考文献

• - 『現代物故者事典 2012～2014』 日外アソシエーツ、2015年。
• - 『市民・社会運動人名事典』 日外アソシエーツ、1990年。
• - 衆議院・参議院 『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』 大蔵省印刷局、1990年。
• - 『国政選挙総覧 1947-2016』 日外アソシエーツ、2017年。

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