野依新池

野依新池（のよりしんいけ）



野依新池は、大分県中津市野依に位置する美しい池です。この池は、地域の農業を支える重要な役割を担っており、2010年3月25日には農林水産省の「ため池百選」にも選定されました。

概要



野依新池は、中津市の東部地域や隣接する宇佐市の広大な農地へ農業用水を供給するために造られた貯水池です。池の周囲は約500メートルで、周辺には同じように農業用水を貯めるための池が点在しています。これらの池は、地域の農業生産を安定させるために重要な役割を果たしています。

ベッコウトンボの生息地



野依新池は、絶滅の危機に瀕しているベッコウトンボが例外的に個体群を維持している、数少ない貴重な池沼の一つです。1990年代からその生息が確認されるようになり、2000年の調査では約1500匹ものベッコウトンボが生息していることが確認されました。この貴重な生態系を保護するため、地域をあげての自然保護活動が行われています。

中津市や環境保護団体が協力し、定期的に池の環境保全活動を実施しています。特に、外来生物であるブラックバスやアメリカザリガニなどの放流は、生態系に悪影響を及ぼすため、厳しく禁止されています。これらの外来種は、在来の生物を捕食したり、生息環境を破壊したりする可能性があり、生態系のバランスを崩す原因となります。

ベッコウトンボは、環境省のレッドデータブックにおいて絶滅危惧I類に指定されており、その保護は非常に重要です。種の保存法により、ベッコウトンボの捕獲は禁止されており、違反した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。これは、ベッコウトンボの保護に対する強い意志を示すものです。

野依新池には、ベッコウトンボ以外にも、コバネアオイトンボなど約50種類の多様な生物が生息しています。これらの生物たちが織りなす生態系は、地域の自然環境を豊かにし、私たちに多くの恵みをもたらしてくれます。

現在では、「大分トンボの会」が中心となり、地域住民やボランティアの協力を得ながら、トンボの産卵に必要な環境を保全するための活動が行われています。池の清掃や水質管理、周辺の植生保護など、地道な努力が続けられています。これらの活動は、ベッコウトンボをはじめとする様々な生物が生息できる環境を守るために不可欠です。

アクセス




脚注




関連項目




外部リンク




野依新池は、美しい自然と貴重な生態系を守るために、地域全体で取り組むべき重要な場所です。訪れる際には、自然保護のルールを守り、静かに観察することで、この貴重な環境を未来へと引き継いでいきましょう。

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