野外支援車

陸上自衛隊 野外支援車（トイレカー）

陸上自衛隊が装備する野外支援車、通称「トイレカー」は、災害派遣時や駐屯地開放イベントなどで重宝される特殊車両です。主に4tトラックの荷台を改造したものが多く、小用便器と大用便器が独立して設置されています。その価格は約1億4800万円と高額です。

概要

野外支援車は、戦闘時よりも災害派遣など、人道支援の場面でその真価を発揮します。駐屯地開放イベントなどで一般公開されることもあります。警察にも同様の機能を持つ「トイレカー」が存在しますが、自衛隊の車両と比較して小型です。

導入の背景には、阪神大震災時の簡易トイレ不足という教訓があります。また、部隊が演習場内で訓練を行う際、排泄物による土壌汚染が深刻化していたことも、導入を後押ししました。そのため、主に内地の部隊で導入が進んでいます。

近年の大規模な地震などの災害派遣でも活用されていますが、広大な演習場を持つ北海道の部隊では、必要台数を確保する必要があるため、導入が進んでいないという課題も抱えています。

処理方法

初期の車両では、電磁波を利用して汚物を加熱処理し、灰を廃棄する方式が採用されていました。しかし、後に導入された車両では、汚物を凝固剤とともにラップ内に封入し、普通ゴミとして焼却場で処理する方式に変更されています。これにより、衛生的な処理が可能となりました。

装備部隊

野外支援車は、主に方面隊や師団などの需品科に配備されています。普通科部隊では、旅団等の乙・丙連隊の本部管理中隊補給小隊などに配備されることがあります。しかし、師団司令部付隊管理小隊や後方支援連隊補給隊など、ごく一部の部隊が災害派遣用として保有しているに過ぎません。

具体的な装備部隊としては、以下の部隊が挙げられます。

第3後方支援連隊第1整備大隊施設整備隊「3後支-1整-施」
第14後方支援隊本部付隊「14後支-本」

製作メーカー

野外支援車の製作には、以下の自動車メーカーが携わっています。

いすゞ自動車
三菱ふそうトラック・バス
日産ディーゼル（現UDトラックス）
日野自動車

関連項目

* 陸上自衛隊の装備品一覧

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