野本勝彦

野本勝彦は、1941年11月17日に埼玉県で生まれた部落解放運動家です。部落解放同盟埼玉県連合会（以下、県連）の執行委員長を務めました。父親は同じく部落解放運動家の野本武一です。

大学受験に失敗した後、大宮市役所（現さいたま市役所）に臨時職員として勤務し、法政大学二部で学びました。1965年に結婚後、1970年2月まで千葉県の建設会社に勤務し、一時的に部落解放運動から離れました。その後、勤務先の倒産を機に埼玉に戻り、父親の運転手として部落解放運動に復帰しました。

1974年に父親が亡くなると、県連事務局長から県連委員長のポストを世襲しました。県連の会計を担当する妻と共謀し、埼玉県同和対策協議会の予算を不正に流用した疑惑が浮上しました。具体的には、同和地区環境改善費用を資金カンパ名目でピンハネし、さらに、同和企業連理事長の立場を利用して、加盟業者からもカンパ名目でピンハネを行っていたとされています。

これらの不正によって得た資金で、8000万円の豪邸のほか、軽井沢と那須に別荘を所有し、300万円の外車を乗り回していたと報じられました。これらの不正行為は週刊誌で報道され、大きな批判を浴びました。野本勝彦を中心とする部落解放同盟幹部の不正に対する反発から、1973年には「部落解放同盟埼玉県連を愛する会」が結成される事態となりました。

1979年4月には、日本社会党公認で県会議員選挙に立候補しましたが落選。これに伴い、県連委員長のポストも失いました。

野本勝彦は、部落解放運動の指導者として活動する一方で、その地位を利用した不正行為によって批判を浴びた人物として知られています。

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