野本喜石

野本 喜石（のもと きせき）について

日本を代表する石彫家である野本喜石（本名：昌広）は、1964年8月21日に愛知県岡崎市で生まれました。彼はStone Studio NOMOTOを運営し、数々の作品で文化的な貢献を果たしています。

幼少期と学び

野本は石屋の長男として育ち、岡崎女子短期大学付属嫩幼稚園から岡崎市立梅園小学校、そして岡崎市立甲山中学校を経て、岡崎城西高等学校を卒業しました。卒業後は岡崎技術工学院で石材科を専攻し、石に対する深い理解を得ました。彼は1983年に父の石材店を継ぐため、石匠・戸松甚五郎のもとで5年間の修行を始めます。この基礎的な訓練を経て、風土彫刻家の鈴木政夫のスタジオで4年間の助手生活を送りながら彫刻創作に取り組むことになりました。

作品と展示

野本の作品は、庭園空間に調和した裸婦像や創作燈籠、また動物をモチーフにした彫刻が多数あります。中でも代表作には「智恵の泉」、「ねぇかあさん」、「ふくふくろ」などがあり、これらは具象彫刻の傑作として評価されています。また、抽象作品としては「それぞれの道 - サグラダファミリア」や「浮遊する時空」、「神秘なる時空」などがあります。

彼の作品は高島屋個展をはじめ、全国の百貨店画廊で展示されています。特に坂村眞民の詩碑も数多く手掛けており、それらはキリマンジャロ山頂やニューヨークなど、国内外に設置されています。このような成果により、2001年にはNYの禅僧・嶋野榮道老師から号「喜石」を授かりました。

2004年にはいしぼり作品の写真集を出版し、2006年には瀬戸赤津焼の里にスタジオを移しました。2009年にはモダンアート展で初の抽象作品を発表し、高い評価を受けました。これに伴い、アートグループ「SONG LINE - Thinking Space Design-」も結成し、彼はメンバーとして活動を続けています。

受賞歴

彼の功績は多くの賞に評価されています。第59回モダンアート展で新人賞を受賞し、損保ジャパン美術財団からの奨励賞や第11回KAJIMA彫刻コンクールでの模型入選、さらには第83回国展や第58回創型展での入選、そして第62回瀬戸市美術展で市長賞を受賞しています。これらの受賞歴は、彼の作品が持つ独自の価値を示しています。

グループ活動

2009年4月には愛知県名古屋市で、建築家の辻唯寿やプロデューサーのサノトシハルとともに、ジャンルを超えたアートグループ「SONG LINE - Thinking Space Design-」を設立しました。彼らは彫刻コンクールやトリエンナーレなどに積極的に出品し、アートシーンを盛り上げています。また、各地での展覧会活動の一環としてメールマガジンも配信しています。

まとめ

野本喜石は、石彫という伝統的な技法を基にしつつ、現代においても生き生きとした作品を生み出しています。彼の活動は、個々の作品だけでなく、アート界全体においても重要な役割を担っています。現在、彼は愛知県瀬戸市を拠点として、ますます多彩な創作活動を続けています。

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