野村万禄

二世野村万禄について

狂言方和泉流の伝承者である二世野村万禄（にせい　のむら まんろく）は、1966年4月5日に生まれ、現在は日本の能楽の世界で重要な位置を占めています。彼は社団法人日本能楽会の会員であり、重要無形文化財の総合指定保持者としても知られています。また、萬狂言九州支部の代表を務め、公益社団法人能楽協会の本部理事を兼任している他、九州支部の支部長としても活動しています。

家族と教育背景

万禄は六世野村万蔵の孫で、母方の家系に生まれ育ちました。彼の成長過程において、狂言という伝統芸能が彼の人生に大きな影響を与えています。万禄は、伯父である初世野村萬から親しく学び、師弟関係を築きました。また、彼は弟子に吉住講を取り入れ、さらなる技の向上を図っています。福岡市を拠点に活動している彼は、狂言の普及と教育に対して強い意欲を持って取り組んでいます。

万禄家の再興

2000年には、野村万蔵家の別家として「野村万禄家」を再興し、二世野村万禄を襲名しました。この再興は彼にとって重要な出来事であり、当主である従兄・五世万之丞の後押しを受けて実現しました。以降、彼は五世万之丞のサポートに尽力し、万蔵家の伝統を継承する役割を果たしています。

九州での普及活動

万禄は、福岡県を中心に九州5県において、狂言の稽古場を開設して一般にその門戸を開き、狂言の普及を目指しています。これにより、意欲ある後進たちに指導を行い、彼らが伝統芸能に触れる機会を多く提供することに力を注いでいます。福岡市能楽協議会の副会長としても、地域の文化活性化に寄与しています。

教育者としての姿

また、福岡教育大学や筑紫女学園大学、福岡女子短期大学、大分大学などで講師としても活動しており、学生たちに能楽や狂言の魅力を伝える努力を続けています。彼の教育活動は、若い世代に対する文化的教育の重要性を担う役割を果たしています。

略歴

万禄の舞台歴は幅広く、1973年の小舞「雪山」が初舞台でした。その後、1977年には作品「痺（しびり）」で初めてシテを務めるなど、次々と実力を磨いてきました。1996年には、新作狂言「死神」で文化庁芸術祭の優秀賞を受賞し、さらなる評価を受けることになります。

彼の活動は舞台だけに留まらず、2000年にはNHKの大河ドラマ「利家とまつ〜加賀百万石物語〜」にも出演し、幅広いメディアにも進出しています。今後も、彼の活動が狂言・能楽界に与える影響に注目が集まっています。

このように、二世野村万禄は、伝統文化を受け継ぎつつ、現代における新たな挑戦を続けている重要な人物であり、彼の取り組みがより多くの人に狂言の魅力を伝えていくことでしょう。

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