野村正史

野村 正史（のむら まさふみ）

野村 正史は、日本の建設・国土交通分野で活躍した官僚です。1961年（昭和36年）8月24日、富山県西礪波郡福光町（現在の南砺市）に生まれました。金沢大学附属高等学校を経て、1985年3月に東京大学法学部を卒業。同年4月、国家公務員採用上級甲種試験（法律）に合格し、建設省の門を叩きました。

建設省入省後、1991年4月には中部地方建設局総務部人事課長として地方でのキャリアをスタートさせます。その後、1993年4月からは島根県に出向し、企画振興部土地資源対策課長、1995年4月には土木部管理課長を歴任し、地方自治体の現場を経験しました。

本省に戻ってからは、大臣官房人事課や都市局で課長補佐を務めた後、1999年7月には都市局都市政策課の建設専門官に就任。省庁再編により国土交通省が発足すると、2001年1月には都市・地域整備局まちづくり推進課企画専門官となります。さらに、同年7月には大臣官房秘書課企画専門官・総務課事務合理化対策官を兼任するなど、本省の中枢に近い部署で経験を積みました。

都市・地域整備局総務課企画官、住宅局住宅専門官を経て、2004年7月には大臣官房総務課企画官に就任。同年9月からは北側一雄国土交通大臣秘書官事務取扱も務め、政治との連携も深めました。大臣官房参事官（国土計画局担当）を経て、2007年7月には内閣官房に出向し、内閣参事官として内閣官房副長官補付で国家の重要政策に関わりました。

国土交通省に戻ってからは、大臣官房地方課長、広報課長を歴任し、省内外とのコミュニケーションを担いました。2011年10月には土地・建設産業局不動産業課長に就任し、不動産業界に関する政策に携わります。その後、総合政策局総務課長を経て、2014年7月には大臣官房政策評価審議官および大臣官房秘書室長を兼務し、政策の効果測定や組織運営の要務に携わりました。

2015年7月には水管理・国土保全局次長に昇進し、日本の水資源や国土の保全に関する重要な課題に取り組みました。そして、キャリアの後半には局長クラスの要職を歴任します。2017年7月7日、国土交通省国土政策局長に就任し、「スーパー・メガリージョン構想」の推進など、広範な国土の将来像に関わる政策を主導しました。2018年7月31日には、土地・建設産業局長となり、建設業や不動産業の振興・監督に責任を持つ立場となりました。

2019年7月9日、国土交通省の組織運営において非常に重要な役割を担う大臣官房長に就任。翌年度の予算概算要求の取りまとめをはじめ、省全体の調整役を務めました。そして、2020年7月21日、国土交通行政の最高幹部の一人である国土交通審議官に就任します。国土交通審議官として、多岐にわたる政策分野の調整や対外的な交渉などを担当しました。

2021年7月1日をもって、国土交通審議官を退任し、官僚生活に終止符を打ちました。約36年にわたるキャリアの中で、国土交通行政の様々な部署を経験し、日本の社会基盤整備や国土の将来計画に深く関与しました。

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