野村雅昭

野村雅昭 (のむら まさあき) のプロフィール

野村雅昭は1939年に東京に生まれ、日本の著名な日本語学者であり、落語研究家として知られています。日本語学を専門としており、特に文字や語彙、さらには話芸の言語学的分析に注力しています。彼は長いキャリアを持ち、早稲田大学で名誉教授として教鞭を執りながら、日本語の研究と教育に貢献してきました。

学歴と経歴

彼は1962年に東京教育大学文学部を卒業しました。在学中の1966年には、関東圏の大学で落語を研究する学生たちの連合組織である「全関東大学落語連盟」を設立しました。この活動は、後の彼の研究テーマである落語の言語学的分析にも影響を与え、彼自身の研究基盤となりました。

その後、都立高校で教員として勤務し、さらに国立国語研究所では言語計量研究部長を務めました。このようなキャリアを経て、1974年には佐伯梅友国語学賞を受賞し、彼の日本語研究は広く認められることになります。

1989年には早稲田大学の教授に就任し、文学学術院で教える傍ら、大学の教育活動全般に関与しました。2010年に定年退職し、その際には名誉教授の称号が授与されました。彼はNHKの放送用語委員を務めたり、日本語学会の会長としても活動するなど、学術界での存在感を示しました。

JIS漢字コードへの貢献

野村は、日本語の文字体系において重要な役割を果たしたJIS漢字コードの制定と改定にも大きな功績があります。このコーディングシステムは、日本のコンピュータや情報通信の発展に寄与しており、彼の研究が現代社会においても重要であることを示しています。

主な著書

彼の著作には、単著、共編著ともに数多くの作品があります。

• - 単著作品

『漢字の未来』(筑摩書房, 1988)では、漢字の歴史と未来についての考察を行っています。
『日本語の風』(大修館書店, 1994)では、日本語の文化的側面について探求しました。
『落語の言語学』(平凡社選書, 1994)では、落語における言語の特性や技術を分析しています。
続編として『落語のレトリック』(1996)や『落語の話術』(2000)も発表し、落語研究の第一人者としての地位を固めました。

• - 共編著作品

『小学生の漢字辞典 使いかた・おぼえかた』(小学館, 1978)は、漢字学習に役立つ書籍で、多くの教育者に支持されました。
『東京堂用字用語辞典』(東京堂出版, 1981)や『朝倉漢字講座』(全5巻, 朝倉書店, 2003-2006)など、多くの辞典や資料も共編者として貢献しています。
さらに、最新の『新選国語辞典 第9版』(小学館, 2011)では、共同で編集に携わりました。

結論

野村雅昭は、日本語学の研究のみならず、教育や文化の発展にも大きく寄与した人物です。その豊かな経歴と多彩な著作は、今後も多くの研究者や学生に影響を与え続けるでしょう。彼の業績は、日本語や落語への理解を深めるための貴重な資源となっています。

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