野獣生誕

エアロスミス - 野獣生誕 (Aerosmith)

エアロスミスのファースト・アルバム『野獣生誕』(原題: Aerosmith)は、1973年1月にリリースされ、バンドのキャリアの幕開けを告げる作品となりました。日本の発売元はソニー・ミュージックレコーズです。

解説

プロデューサーには、オールマン・ブラザーズ・バンドのファースト・アルバムを手掛けたエイドリアン・ハーバーが起用されました。バンドはスティーヴン・タイラー以外がほぼ新人だったため、マネージャーはメンバーを短期間合宿させ、レコーディングに集中できる環境を整えたと言われています。

アルバムの発売当初は評価が低く、ローリングストーン誌にも取り上げられず、レコード会社から契約を打ち切られかけるという苦境に立たされました。しかし、マネージャーやメンバーの熱心な働きかけにより、シングルカットされた「ドリーム・オン」が最高60位まで上昇。その後、1976年に再発されると、ビルボード誌で6位の大ヒットとなり、アルバム自体も21位まで上昇しました。

「ママ・キン」は、スティーヴン・タイラーがデビュー前から大切にしていた楽曲で、エアロスミス結成時には左腕に「MA KIN」というタトゥーを入れたほど思い入れがありました。ガンズ・アンド・ローゼズがメジャーデビュー前のライブでこの曲をカバーし、アルバム『GN'Rライズ』にも収録。さらに、パリ公演ではスティーヴン・タイラーとジョー・ペリーをゲストに迎え、「ママ・キン」と「トレイン・ケプト・ア・ローリン」をセッションしました。

「ウォーキン・ザ・ドッグ」は、ローリング・ストーンズがファースト・アルバムでカバーしたルーファス・トーマスの楽曲で、後にラットもファースト・アルバムでカバーしています。

収録曲

1. メイク・イット - Make It (3:39)
2. サムバディ - Somebody (3:45)
3. ドリーム・オン - Dream On (4:26)
4. ワン・ウェイ・ストリート - One Way Street (7:01)
5. ママ・キン - Mama Kin (4:25)
6. ライト・ミー - Write Me (4:10)
7. ムーヴィン・アウト - Movin' Out (5:02)
8. ウォーキン・ザ・ドッグ - Walkin' the Dog (3:12)

カバー

* 「ドリーム・オン」は、ケリー・スウィートのアルバム『ウィー・アー・ワン』(2007年)でカバーされました。

『野獣生誕』は、エアロスミスの原点であり、その後の輝かしいキャリアの礎となった重要な作品と言えるでしょう。

もう一度検索