野生のエルザ

野生のエルザ

『野生のエルザ』（原題：Born Free）は、ジョイ・アダムソンによる1960年刊行のノンフィクション作品であり、実在のライオン、エルザの記録です。この作品はベストセラーとなり、後に映画化やテレビドラマ化もされました。

原題の「Born Free」は、新約聖書の使徒言行録に登場するパウロが、彼を捕らえた兵士に「私は生まれながらの自由人である」と言った言葉に由来するとされています。

ストーリー

1956年、ケニアの狩猟監視官ジョージ・アダムソンは、人食いライオンを射殺し、残された3匹の幼いライオンを引き取ります。妻のジョイは、そのうちの1匹、エルザを特に可愛がり、手放すことができませんでした。

成長したエルザは、近くの村で騒動を起こしてしまいます。ジョージは、エルザを動物園に入れることを勧めますが、ジョイはエルザを野生に返すことを決意します。3ヶ月の猶予を得て、ジョイとジョージはエルザに狩りの訓練を始めます。

訓練は困難を極めましたが、やがてエルザは獲物を仕留め、野生の群れに受け入れられます。その後、ジョイとジョージはエルザとの別れを告げた自然保護区を訪れ、3匹の子ライオンを連れたエルザと再会します。エルザは野生と人間との架け橋となったのです。

映画

1966年にはイギリスで映画版『野生のエルザ』が公開されました。1971年には続編『永遠のエルザ』（原題：LIVING FREE）も製作されています。

キャスト

ジョイ・アダムソン：ヴァージニア・マッケンナ
ジョージ・アダムソン：ビル・トラヴァース

スタッフ

監督：ジェームズ・ヒル、トム・マッゴーワン
原作：ジョイ・アダムソン
脚本：ジェラルド・L・C・コプリー
音楽：ジョン・バリー

受賞

映画『野生のエルザ』は、第39回アカデミー賞で作曲賞と歌曲賞を受賞しました。

テレビドラマ

1974年には、アメリカのNBCでテレビドラマ版『野生のエルザ』が放送されました。全13話からなる連続シリーズで、日本では1975年にフジテレビ系列で放送されました。

テレビドラマ版キャスト

ジョイ・アダムソン：ダイアナ・マルドア（吹き替え：小林千登勢）
ジョージ・アダムソン：ゲイリー・コリンズ(吹き替え:前田昌明)

関連項目

* ドラえもん のび太の恐竜 - 本作がモチーフの一つとなっています。

『野生のエルザ』は、人間と動物との絆、自然への愛、そして自由への憧憬を描いた不朽の名作として、今もなお多くの人々に感動を与え続けています。

もう一度検索