野生の祭典

『野生の祭典』について

『野生の祭典』（やせいのさいてん、フランス語：La Fete Sauvage）は、著名な作曲家ヴァンゲリスが手がけたアルバムです。この作品は、フランスの映画監督フリデリック・ロッシフによる1976年公開の自然ドキュメンタリー映画「La Fete Sauvage」のサウンドトラックとして制作されました。映画はアフリカとヒマラヤで撮影された動物の生態記録を基にしており、アルバムはその壮大な映像と感情に応える音楽を提供しています。

収録曲の内容

アルバムにはいくつかのバージョンが存在し、特に欧州版と日本版で収録内容に違いが見られます。欧州盤には以下の内容があります：

• - La Fete Sauvage (18:12)
• - La Fete Sauvage (20:19)

これらの曲は、2002年にリリースされたデジタルリマスター・イタリア盤CDでのデータに基づいています。初期の欧州盤LPやCDでは、収録時間が約40秒ほど誤記されていたことがあるため、ファンは注意が必要です。

特に、CDでは通常1トラックとして収録されていることが多いですが、欧州版LPではそれぞれの曲が分かれている形式となっています。

一方、日本国内盤LPの収録曲は次のようになっています：

• - 野生の祭典（パート.1） - La Fete Sauvage (Part.1) (20:22)
• - 野生の祭典（パート.2） - La Fete Sauvage (Part.2) (18:17)

日本版LPでは、欧州盤とは異なりA面とB面の収録内容が逆に配置されており、これは日本盤特有の特徴です。このような逆順での収録は他の版では確認されていないため、貴重なアイテムとしての価値があります。

音楽の魅力

このアルバムは、ヴァンゲリスならではの雄大なシンセサイザーの音色とオーケストラが融和した、情景描写に富んだ楽曲で構成されています。音楽は映画の映像を彩るだけでなく、聴く者の想像力をかき立てる魅力があります。大自然の美しさと脅威を描いた映像に、音楽が絶妙に寄り添い、観る人に深い感動を与えます。

表記や印象

このアルバムの「Fete」という言葉には特別な意味があります。フランス語では本来「Fête（フェット）」と表記されるべきで、初期のLPロゴデザインではマクロンが用いられた「FĒTE」として表示されています。しかし、活字部分では「FETE」という簡略な形が使われており、異なる表記には魅力的な多様性があります。また、1978年発売のフランス版LPでは、ジャケットのタイトルが「FETE」となっている一方、裏面や盤面上は異なる表記がされており、これも興味深い点です。

総評

『野生の祭典』は、単なるサウンドトラックに留まらず、自然に対する深い考察と感動を与え、聴き手の心に響く音楽的体験を提供します。ヴァンゲリスの作品は作品ごとに独自の情景を持ち、このアルバムもまた、多くのリスナーにとって忘れがたい一枚となっています。

もう一度検索