野迫川村営バス

奈良県野迫川村の足：村営バスの現状と歴史

野迫川村営バスは、奈良県吉野郡野迫川村における重要な交通手段として、村民の生活を支えています。山間部に位置する同村では、自家用車を持たない住民にとって、村営バスは買い物や通院、学校への通学など、日常生活に欠かせない存在となっています。

運行形態と車両

野迫川村営バスは、道路運送法に基づく自家用自動車（白ナンバー車）による有償運送、いわゆる80条バスとして運行されています。運賃は距離制で、小中学生のスクールバスとしての役割も担っています。現在、日産ローザ1台とトヨタハイエース2台が運行にあたり、ローザは白とベージュのツートンカラー、ハイエースは白色で塗装されています。

歴史：地域交通の変化と村営バスの役割

村営バスの運行開始は1972年3月まで遡ります。それ以前は、奈良交通や南海バスが路線バスを運行していましたが、1971年までにこれらの路線バスが廃止または減便されたことを受け、村民の交通手段確保のため、村営バスが運行開始されました。当初は今井線、立里下線、弓手原線の3路線で、運行頻度は各路線2往復でした。

その後、2006年10月1日には奈良交通五條野迫川線の廃止があり、村営バスの重要性はさらに増しました。近年では、2024年2月1日に路線の再編が行われ、新たな北今西線が新設された他、高野山線の延伸、小代下線の区間便新設、そして池津川線の予約制化など、村民のニーズに合わせた路線変更が行われています。これらの変更は、人口減少や高齢化といった地域社会の変化を反映したものであり、村営バスが地域社会の維持に重要な役割を果たしていることを示しています。

主要路線：村内と周辺地域を結ぶ

現在、野迫川村営バスは以下の5路線を運行しており、いずれも平日のみ運行です。

1. 弓手原線: 村の南西部にある弓手原地区に向かう路線で、1往復が運行されています。
2. 高野山線: 和歌山県高野町と野迫川村を結ぶ路線で、2024年2月1日の延伸により高野山駅まで運行されるようになりました。南海りんかんバス立里線と並行していますが、運行日時は異なります。高野町内のみの利用はできません。
3. 北今西線: 2024年2月1日に新設された路線で、高野山駅と北今西地区にあるホテルのせ川を結んでいます。ホテルのせ川前発着の便と、高野山駅発着の便があります。
4. 小代下線: 村の北部にある今井を経由し、五條市大塔町小代まで運行する路線です。終点の小代下では奈良交通バスと接続しており、五條市街地へのアクセスが可能です。野迫川村役場発着の便と、今井橋発着の区間便があります。
5. 池津川線: 村の東部にある池津川地区に向かう路線で、2024年2月1日より予約制となりました。

情報へのアクセス

野迫川村営バスの運行時刻表は、野迫川村の公式サイトで確認できます。公式サイトのアクセスマップには時刻表が掲載されており、利用者は事前に運行時刻を確認することができます。

まとめ：地域社会を支える大切な存在

野迫川村営バスは、過疎化が進む山間地域において、住民の生活を支える重要な役割を担っています。歴史を振り返り、現在の運行状況、そして今後の展望を考えることで、地域公共交通のあり方について改めて考えるきっかけとなります。今後の更なる発展と、地域住民への貢献が期待されます。

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