野間易通

野間 易通（のま やすみち）について

野間易通は、日本の政治活動家であり、反レイシズムの活動に注力している人物です。彼はしょうざいとして知られる対レイシスト行動集団C.R.A.C.を主宰し、さまざまな社会問題に対して自身の見解を発信しています。

来歴

1966年に兵庫県芦屋市で生まれ、神戸市で育った野間は、兵庫県立北須磨高等学校を卒業後、大阪外国語大学に進学しました。1990年には同大学を卒業し、2000年代初頭には音楽雑誌「ミュージック・マガジン」の副編集長として活動しました。2011年には「ツイッター・デモ」の実行組織であるTwitNoNukesに参加し、首都圏反原発連合の設立にも関与しました。

「レイシストをしばき隊」の結成

野間は2013年に「レイシストをしばき隊」を結成しましたが、同年9月にはこの団体は解散しました。しかし、彼はその後も活動を続け、10月には後継団体としてC.R.A.C.を設立しました。さらに、ジャーナリストの安田浩一と共にYouTube番組「No Hate TV」を毎週放送しており、ヘイトスピーチや人権擁護に対する強い姿勢を示しています。

主張・活動

カウンター活動の理念

野間は、カウンター活動の目的を「少数者を守るためではなく、社会の公正さを守るために闘う」としています。彼は、逮捕者が出ることを活動の失敗と感じているものの、「反対意見が存在することを可視化する重要性」を認識しています。野間の考えでは、不快な言動は避けるべきですが、世界的には平和的な意思表示として認識されています。彼は、穏健な態度であっても、マイノリティに対する憎悪感情を伴うものは退けるべきだと述べています。

安倍内閣の倒閣運動

2017年には、当時の首相安倍晋三が東京都議選で街頭演説を行っている最中に、野間が掲げた横断幕を用いて「辞めろ」とコールするなど、安倍政権に対する反対意見を表明しました。この行動に対しては賛否が分かれ、捉え方によっては過激視される一方で、彼の行動を支持する意見も存在しました。

ネット言論とアカウントの凍結

野間は、ネット上の言論が歪んでいると指摘し、多くの人々が他者に反論できない状況を批判しました。しかし、Twitter上での言動は物議を醸し、2017年にはアカウントが一時凍結される事態となりました。彼の発言は一部でヘイトスピーチと捉えられ、議論を呼びました。

訴訟と評価

彼は過去にブログ「凪論」の筆者に対する名誉棄損訴訟を起こされたことがあり、その結果、不法行為による損害賠償を命じられました。また、他の訴訟でも和解が成立しています。

彼の活動や著書には一部からの高い評価が寄せられており、特に在日本大韓民国民団の機関紙では「カウンター活動の原点」として認識されています。

著書

主な著作には『金曜官邸前抗議 —デモの声が政治を変える』や『「在日特権」の虚構 : ネット空間が生み出したヘイト・スピーチ』があり、彼の視点からの社会問題に関する考察が広がっています。彼の活動は、日本社会における人権問題やヘイトスピーチへの反対の動きを牽引する一端を担っています。

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