野間清六

野間清六：日本の美術史研究に貢献した巨匠

野間清六(1902年2月12日-1966年12月13日)は、日本の美術史、特に彫刻史において重要な足跡を残した美術史家です。滋賀県で生まれ、東京帝国大学美学美術史学科を卒業後、東京帝室博物館(後の東京国立博物館)に勤務。鑑査官補から始まり、美術課長、普及課長、学芸部長と要職を歴任しました。

東京国立博物館での貢献

東京国立博物館においては、長年にわたり日本の美術コレクションの調査、保存、研究に尽力しました。1951年には、サンフランシスコで開催された日本古美術展(サンフランシスコ講和条約締結記念展)に携わり、渡米経験も積んでいます。同館の業務に携わっただけでなく、博物館の普及活動にも大きく貢献しました。1969年の定年退職後も、文化財専門審議会専門委員として日本の文化財保護に尽力しました。

教育者としての顔

博物館での職務に加え、野間氏は教育者としても活躍しました。東京国立博物館を退職後は、女子美術大学教授として後進の育成にも力を注ぎました。彼の深い知識と経験は、多くの学生たちに影響を与えたことでしょう。

多彩な共編著書

野間清六氏の美術史研究の成果は、数多くの共編著書によって広く世に知れ渡っています。代表的なものとしては、『埴輪美』、『日本美術辞典』、『近代日本美術全集』などがあり、日本の美術を多角的に紹介する上で重要な役割を果たしました。その他にも、『墨の芸術』、『図説世界文化史大系』、『世界美術全集』、『世界美術大系』など、幅広い分野を網羅した共編著書を数多く残しています。これらの著作は、今日でも美術史研究において重要な参考文献として活用されています。

受賞と栄典

野間清六氏の功績は高く評価され、数々の賞を受賞しています。1957年にはシュヴァリエ・ド・ノワール勲章を受章し、1966年には従四位勲三等旭日中綬章を受賞しました。これらの栄典は、彼の美術史研究への貢献と日本の文化遺産保護への尽力が広く認められた証と言えるでしょう。

没後

1966年、脳軟化症のため慶應義塾大学病院で64歳という若さで逝去されました。しかし、彼の残した研究成果と教育活動は、日本の美術史研究に大きな影響を与え続け、今日でも高く評価されています。野間清六氏の業績は、日本の美術史研究の発展に大きく貢献し、その名は後世に長く語り継がれるでしょう。彼の功績は、日本の美術史研究に新たな地平を開き、日本の文化遺産の保護・継承に多大な影響を与えました。彼の著作は、現在でも美術史研究の貴重な資料として活用されています。

まとめ

野間清六氏は、東京国立博物館での長年の勤務、数々の共編著書、そして後進の育成などを通して、日本の美術史研究に多大な貢献を果たしました。彼の生涯は、日本の美術史研究の発展に大きく寄与した、一人の美術史家の偉大な功績を物語っています。彼の名は、日本の美術史研究の歴史に永遠に刻まれるでしょう。

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