金光林

金光林（キム・グァンニム）の生涯と文学

金光林は1929年、現在の北朝鮮にあたる咸鏡南道の元山に生まれました。本名は忠男で、高麗大学校の国文科を卒業しました。彼の詩の歩みは、1946年の元山中学校の卒業後に始まり、画家の李仲燮との出会いを通じて文学という道を歩んでいくことになります。

1950年代後半、北朝鮮の文芸政策に反対し、南側に移ったのちに、金光林は詩人としての活動を本格化させます。彼は、新聞や雑誌での作品を発表しつつ、1957年には詩集「戦争と音楽と希望」を全鳳健、金宗三と共に刊行しました。この詩集は彼を詩壇に知らしめるきっかけとなり、彼の名前が広がることになりました。

1959年に発表した詩集『傷心する接木』は、彼の初の詩集であり、以降も多彩な作品を次々と発表していきます。1962年には『心象の明るい影』、1965年には『午前の投網』など、数々の詩集を世に送り出しました。

また、金光林は詩人であるだけでなく、学者としても活躍をしました。長安大学校の教授職を務めながら、文化公報部、KBS、韓国外換銀行など多岐にわたる職務を経験しました。彼の詩は、深い思想と感情が込められており、特に人間の内面的な葛藤や社会への視点が反映されています。

彼の作品の中には、1971年の『鶴の墜落』や、1973年の『葛藤』といった詩集もあり、1976年には『真冬の散歩』を発表しました。詩は彼の思想や感情を映し出し、読者に深い印象を与え続けます。1985年には『天上の花』、1989年には『言葉の砂漠で』といった作品も発表し、彼の作風はますます成熟していきました。

1993年には『ありのままに』、1996年には『白昼の灯火』と続け、1998年には『病んだ男』を発表し、2001年には『手放したフープ』で彼の詩人としての歩みは一層顕著になります。

金光林は2024年6月9日に95歳でこの世を去りました。彼の詩の世界は、彼自身の人生と密接に関わり合い、多くの人々に影響を与え続けています。彼の作品を通じて、私たちは彼の詩＝作り出された言葉によって築き上げられた独自の宇宙を感じ、彼の文学的営みを思い続けることができるでしょう。このように、金光林の詩は、時代や国境を越えて多くの人々に響くものであり、彼の存在は今もなお多くの詩人たちに影響を与えています。

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