金剛永謹

金剛 永謹（こんごう ひさのり）

金剛永謹は、1951年6月24日生まれのシテ方金剛流の能楽師であり、重要無形文化財各個認定、いわゆる人間国宝として幅広く知られています。彼は金剛流の第26世宗家として認識されており、京都を拠点に活動を行っています。

幼少期と初舞台

京都市で二世金剛巌の長男として生まれた金剛永謹は、幼少期から父親の影響を受けて成長しました。彼は1956年に仕舞「猩々」で初めて舞台に立ち、1958年には同作品で初めてシテ（主役）を演じることとなりました。この時から彼の能楽師としての道がスタートし、以降多くの舞台で活躍するようになります。

重要無形文化財認定

1991年、金剛永謹は重要無形文化財「能楽」の保持者に総合認定され、その技術と表現力の高さが評価されました。2023年には、狂言方の二世茂山七五三と共に重要無形文化財各個認定（人間国宝）に選ばれるという栄誉を受け、彼の存在感がさらに強まりました。これは金剛流の初の各個認定でもあり、流派の伝承者としての責任を一層重く受け止めています。

役職と国際的な活動

金剛流の宗家として、金剛永謹は公益財団法人金剛能楽堂財団の理事長や社団法人日本能楽会の会長、また金剛会の理事長を務めています。このように彼は日本の伝統文化を守るため尽力している一方で、海外でもその技術を広める役割も担っています。アメリカ、カナダ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルなどで多数の公演を行い、国際的な認知度を高めています。

受賞歴

金剛永謹は多くの賞を受賞しており、1984年には「京都市芸術新人賞」を、1986年には「京都府文化賞新人賞」を、そして2004年には「京都府文化賞功労賞」を受賞しています。さらに、2010年には「京都市文化功労者表彰」を受け、2017年には第67回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。2018年には紫綬褒章が授与され、2023年には日本芸術院賞及び恩賜賞も受赏するなど、その名声は国内外に広がっています。

執筆活動

著書としては『金剛家の面』があり、伝統芸能に関する知識と経験を綴った作品として評価されています。また、金剛永謹の生活の一部には家庭があり、1983年には彼の夫人がライオンのママ・ローヤルのCMに出演したことでも注目を浴びました。

結び

金剛永謹は、能楽を通じて日本の文化を世界に伝えるとともに、後進の指導にも力を入れているため、今後の活動にも期待が寄せられています。

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