金子建志

金子建志（かねこ けんじ、1948年3月8日生まれ）は、日本の音楽界において多方面で活躍する人物です。音楽評論家、音楽学者としての顔を持つ一方、指揮者としてもその才能を発揮しています。

生い立ちと教育

金子氏は千葉県出身で、千葉県立千葉高等学校を経て、1966年に東京芸術大学音楽学部楽理科に入学しました。大学では、音楽理論を柴田南雄氏に、指揮法を渡邉曉雄氏や高階正光氏に師事し、音楽の基礎を築きました。1970年3月に同大学を卒業後、さらに指揮法を齋藤秀雄氏に師事し、研鑽を積みました。

指揮者としての活動

1985年には、千葉フィルハーモニー管弦楽団を結成し、常任指揮者として活動を開始しました。その他、市川交響楽団、カメラータ・ユピテル（現在の世田谷交響楽団）、19世紀オーケストラ、アンサンブル花火など、多くのアマチュアオーケストラで指揮者を務め、音楽文化の普及に貢献しました。

評論家・学者としての活動

金子氏は、『音楽現代』『レコード芸術』『朝日新聞』といった主要な音楽メディアで新譜月評を担当し、鋭い視点と深い知識に基づいた評論活動を展開しています。また、NHK-FMの音楽番組では解説者として出演し、クラシック音楽の魅力を広く伝えています。

著書

金子氏は、音楽に関する多数の著書を執筆しています。これらの著書は、一般の音楽ファンから専門家まで、幅広い読者に支持されています。

『NHK 趣味講座 第9をうたおう』（日本放送出版協会、1986年10月）
『こだわり派のための名曲徹底分析─ブルックナーの交響曲』（音楽之友社、1994年）
『マーラーの交響曲（こだわり派のための名曲徹底分析）』（音楽之友社、1994年）
『ベートーヴェンの「第9」─こだわり派のための名曲徹底分析』（音楽之友社、1996年）
『交響曲の名曲〈1〉─こだわり派のための名曲徹底分析』（音楽之友社、1997年）
『200CD オーケストラの秘密─大作曲家・名曲のつくり方』（立風書房、1999年）
『マーラーの交響曲〈2〉（こだわり派のための名曲徹底分析）』（音楽之友社、2001年）
『200CD オーケストラこだわりの聴き方─スコアが見えるディスク・ガイド』（立風書房、2004年）

これらの著書は、特定の作曲家や楽曲に焦点を当て、詳細な分析と解説を通じて、音楽の奥深さを伝えています。特に「こだわり派のための名曲徹底分析」シリーズは、彼の代表作として知られています。

共編著

* 朝比奈隆『朝比奈隆 交響楽の世界』編（早稲田出版、1991年）

金子建志氏は、音楽評論、音楽学、指揮という三つの分野で卓越した才能を発揮し、日本の音楽文化の発展に大きく貢献している人物と言えるでしょう。

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