金澤好夫

金澤 好夫

金澤 好夫（かなざわ よしお）氏は、1935年生まれの日本を代表するアメリカンフットボール指導者、組織運営者です。

そのキャリアは選手として始まりました。明治大学に進学後、アメリカンフットボール部で活躍。選手として出場した第11回ライスボウルでの経験は、その後のキャリアの礎となりました。

大学卒業後は指導者の道へ進み、拓殖大学アメリカンフットボール部の創設に携わり、初代監督に就任。大学チームの基盤構築に尽力しました。

指導者としての活動と並行して、日本のフットボール界全体の発展にも深く関わります。関東学生アメリカンフットボール連盟や日本アメリカンフットボール協会で理事などの要職を歴任。特に社会人アメリカンフットボールの組織化と競技力向上に情熱を注ぎました。

1980年には、当時、地域ごとの活動が主だった社会人チームを束ねるため、東日本社会人協会を設立。その理事長に就任し、社会人チームの頂点を決める王座決定戦（現在のジャパンXボウルにつながる大会）を創設するなど、社会人リーグ運営の重要な一歩を踏み出しました。

さらに社会人アメフト界を全国規模で強化するため、1985年には日本社会人アメリカンフットボール協会を設立し、その初代理事長に就任。そして1996年には、日本の社会人アメリカンフットボールリーグを、よりプロフェッショナルな運営を目指す現在のトップリーグ、Xリーグへと再編・設立する陣頭指揮を執りました。Xリーグの誕生は、社会人アメフトの競技レベル向上と人気拡大に大きく貢献しました。

金澤氏の活躍は国内に留まりません。日本代表チームの監督としてもその手腕を発揮。2000年にイタリアで開催された第1回アメリカンフットボール・ワールドカップ、そして2003年にドイツで行われた第2回大会において、日本代表を率いて世界の強豪を破り、史上初のワールドカップ２連覇という歴史的快挙を成し遂げました。この偉業は、世界の舞台における日本アメリカンフットボールの地位を確立する上で極めて大きな意味を持ちました。

また、日本アメリカンフットボール協会の理事長（2003年～2005年）や、国際アメリカンフットボール連盟（IFAF）の上席副会長（2003年就任）を務めるなど、国内外のフットボール界の要職を歴任し、競技全体の発展に貢献しました。

長年にわたり、選手育成、チーム指導、リーグ創設、国際舞台での成功、そして組織運営と、多岐にわたる分野で日本アメリカンフットボール界に計り知れない貢献をした功績が認められ、2014年には日本アメリカンフットボールの殿堂入りを果たしています。金澤氏の情熱と指導力、そして組織を構築する手腕は、日本のフットボール史において特筆されるべきものです。

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