金澤正剛

金澤正剛（かなざわ まさかた）

金澤正剛は、1934年生まれの日本の音楽学者、音楽史研究者であり、国際基督教大学の名誉教授です。ルネサンス音楽史を専門としていますが、中世西洋音楽や古楽全般についても幅広い知識と研究業績を持っています。

経歴

1957年に国際基督教大学教養学部人文科学科音楽専攻を卒業後、アメリカに留学し、ハーバード大学大学院で音楽学を学びました。1966年には博士課程を修了しています。留学中の1963年からハーバード大学音楽学部助手、1964年からはハーバード大学カークランド学寮音楽専攻指導教官を兼任し、1966年まで務めました。

帰国後は、国際基督教大学などで非常勤講師を務める傍ら、フィレンツェのハーバード大学イタリアルネサンス研究所、アンティオーク大学、アールハム大学などで研究に携わりました。1980年には、イザベル・ポープとの共編著『The Musical Manuscript Montecassino 871（モンテ・カシノ音楽手写本第 871号）』が、ASCAP賞を受賞しました。

1982年に国際基督教大学教授に就任し、同大学では宗教音楽センター所長も務めました。2004年に定年退職し、名誉教授となりました。1998年には著書『古楽のすすめ』で日本ミュージック・ペン・クラブ大賞を受賞しています。

学会活動においては、国際音楽学会日本代表理事、国際音楽文献委員会日本国内委員会委員長、日本オルガン研究会会長、国際音楽資料情報協会日本支部長などを歴任しました。

主な著書

単著

『古楽のすすめ』、音楽之友社（音楽選書）、1998年
『新版 古楽のすすめ』、音楽之友社（オルフェ・ライブラリー）、2010年
『中世音楽の精神史：グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ』、講談社（選書メチエ）、1998年
『中世音楽の精神史：グレゴリオ聖歌からルネサンス音楽へ』、河出書房新社（河出文庫）、2015年
『キリスト教音楽の歴史：初代教会からJ.S.バッハまで』、日本キリスト教団出版局、2001年
『キリスト教と音楽：ヨーロッパ音楽の源流をたずねて』、音楽之友社、2007年
『ヨーロッパ音楽の歴史』、音楽之友社、2020年

翻訳

エマニュエル・ヴィンターニッツ 著、『音楽家レオナルド・ダ・ヴィンチ』、音楽之友社、1985年
トマス・マロッコ 著（金沢正剛・山田久美子 共訳）、『ストラディヴァリウス：ある名器の一生』、音楽之友社、1992年


この他にも、多数の事典の監修、日本語版監修、翻訳を手がけています。

研究分野

金澤正剛の研究は、ルネサンス音楽史を軸に、中世西洋音楽、古楽全般に及んでいます。特に、宗教音楽の歴史的変遷や、音楽とキリスト教の関係性について深く掘り下げています。その研究成果は、著書や論文を通じて広く共有されています。

外部リンク

金澤正剛 - researchmap

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