金田一少年の事件簿 (亀梨和也のテレビドラマ)

金田一少年の事件簿　吸血鬼伝説殺人事件：2005年放送の単発ドラマ

2005年9月24日、日本テレビ系で放送されたテレビドラマ『金田一少年の事件簿　吸血鬼伝説殺人事件』は、人気漫画『金田一少年の事件簿』を原作とする作品です。しかし、原作とは大きく異なる設定やキャラクター造形が大きな特徴となっています。このドラマは、シリーズ唯一の単発ドラマであり、連続ドラマ化はされませんでした。

主人公・金田一一は、亀梨和也（KAT-TUN）が演じ、原作とは異なる軽薄な性格で、事件解決に消極的な面を見せるなど、コンプレックスを抱えた青年として描かれています。祖父である金田一耕助への反発心も強い点が特徴です。また、所属はミステリー研究会ではなく、陸上部の幽霊部員という設定になっています。

ヒロインの七瀬美雪は上野樹里が演じ、原作同様に陸上部員ですが、一本気で凛とした性格、そして金田一に対して原作以上に辛辣な態度をとるなど、大人びた女性として描かれています。

警視庁警部の剣持勇は加藤雅也が演じ、原作の「オペラ座館殺人事件」に登場する剣持に近い、金田一に対して厳しく非協力的な態度をとる人物として描かれています。「ボウズ」や「アンポンタン」といった呼び方はせず、言葉遣いを重視し、少しでも不自然な点があれば細かく指摘するなど、原作とは異なる一面を見せています。しかし、物語の終盤では金田一に隠された推理の才能を見抜き、彼を認めるところも見られます。彼の持つ扇子には「乞うご期待」の文字があり、続編制作の可能性を示唆しているとも言われています。

事件の舞台となるペンションには、個性豊かな宿泊客たちが集まります。従業員や宿泊客それぞれが事件に絡み合い、複雑な人間関係と謎が絡み合う展開となっています。星野真里、中村俊介、小西美帆、江成正元、山下容莉枝、正希光、矢島健一、保阪尚希、篠井英介、加藤ローサといった豪華なキャストが脇を固めます。また、KAT-TUNの中丸雄一と田中聖も陸上部員として出演していましたが、後日の不祥事の影響で、再放送や配信版では出演シーンがカットされています。

長らくソフト化されていませんでしたが、2022年10月5日に再編集版のBlu-rayとDVDが発売されました。この再編集版では、放送後に起きた不祥事の影響で、一部シーンの入れ替えやカット、そしてテロップによる説明追加などが行われています。再放送や配信サービスでの配信も開始され、再び注目を集めている作品です。

本作品は、原作の世界観を踏襲しつつも、独自の解釈と演出によって新たな魅力を生み出した、金田一少年の事件簿シリーズにおいて特異な存在と言えるでしょう。原作ファンはもちろんのこと、ドラマ単体としても楽しめる作品となっています。

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